公立中高一貫校適性検査模試

今朝は「公立中高一貫校適性検査模試」からスタート。4人の小6生が挑戦している。

どういう問題なのかイメージを持ってもらうために最初の問題をjpegの画像で貼り付けておいた。資料1は、陸と海への降水量を100としたとき、海、陸、空の間で水がどのくらい循環しているかを示した図だ。資料2は、地球の表面積や赤道半径などを示した図。これらを見ながら二人の小6生が「海に降る水の量が陸に降るそれよりも多いのはなぜだろう」とか「雨水は飲めないのにわき水には飲めるものが多いのはなぜだろう」などと考える。それらの質問に対して自分の考えを書いていくような設問になっている。

二人の話はミネラルウオーターについての話となり、そこについているいろいろなリサイクル識別表示マークが資料として提示される。「なんでこんなマークを表示することが法律で義務づけられているのだろう」「これらのマークのデザインに共通する意味は何だろう」などと設問が続いていく。

こうした大問が全部で3問。これが適性検査1だ。さらに、もうひとつのパターンの適性検査2では、志賀直哉の「日本語の未来」の一部を読ませての設問になる。「日本語がどのように成長して欲しいと筆者は考えていますか」「本文の内容を参考にして、現在の日本語の使われ方について、四百字であなたの考えを書きなさい」という設問となる。

私の感想は、下手なレベルの大学入試問題より難しいなぁ、というもの。この模試を今の高校生にやらせてみたらおもしろいなぁ、と本当に思う。多くの高校生が合格ラインを越えられないだろう。そのぐらいハードルの高いものだ。

こんな試験が全国の「公立中高一貫校」の入学選抜試験(どの教育委員会も選抜試験ではない、といっていますが)でおこなわれている。この適性検査を見れば、どういう生徒をとりたがっているのか、どういう教育をおこなおうとしているのかがよくわかる。進学のための学力をつけるのではなく、ゆとり教育導入時によく言われた「自ら考える力」を育成する、という考えを推しすすめていこうとしているのだ。

多様な選択、という意味ではとても良いことだと思うが、多くのお母さん方が勘違いをされている。公立の一貫校は、私立の一貫校とは全く違うベクトルを持っているのだ。学力を重視してしっかりした大学進学を、というのではなく、ひとつひとつの学習を自ら発見していく姿勢を身につけさせながら進めていく、というスタイルなのだ。このふたつのアプローチは同じようで全く違う。結果を求めての指導なのか、あくまで過程を重視する指導なのか、という違いだ。

いずれにしても、この問題にしっかりと答えて20倍近くの倍率を突破するということは、公立のトップ校を合格するよりも、私立の一貫校の難関校に合格するよりも大変なことは確かだ。

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