小学校の成績表

夏の講習の問い合わせの方がちらほらと来塾されている。「勉強はどんな様子ですか?」と聞くと、「小学校の時は問題がなかったのですが」という答えが返ってくることが多い。「問題がなかった」ということは「出来ていた」という意味だろう。果たして今の小学校の成績表で子供が出来ている、出来ていないを判断できるだろうか。それは絶対にムリだ。そのことをお母さん方は理解されていない。

私のいう「出来る」「出来ない」の基準は、そこで学ぶべき内容をしっかりと理解して解決できる力をつけているかどうか、ということだ。お母さん方も、そうした力をつけているかどうかを小学校の評価に求めていると思う。だからこそ「よくできましたorA評価」がほとんど並んだ成績表をみて「うちの子は大丈夫だわ」と認識しているのだろう。

小学校の評価は「絶対評価」だ。たとえば「水の流れ」の単元では「地面を流れる水や川の流れの様子に興味・関心をもち,自ら流れる水の速さや量による働きの違いを自然災害に目を向けながら調べようとする」という評価基準があり、これをクリアしていればA評定となる。そうした項目がたくさん並んでいるのが今の小学生の評価だ。

他の子供との理解度の相対的な違いを数値で評価したものではない。どうもお母さん方は「評価=相対的なもの」という固定概念にとらわれていて、A評定ならば他の子供よりも出来ている、と勘違いされているようなのだ。

いつも言うことだが、私は絶対評価を決して否定しているわけではない。学校の評価は絶対評価で良いと思っている。しかし、相対的な評価を知る必要もあると考える。塾に行っていれば相対的な評価を知ることは出来る。逆に塾に通っていなければ相対的な子供の評価を知るチャンスはお母さんには全くないのだ。

中学も絶対評価だが、びみょーに相対評価にもなっている。今回の中1の英語の試験。ある中学では90点以上が全体の1/3。ということはここまでで評定4は終わり。80点台では評定3になってしまう。ヘンな絶対評価となっている。それでも初めて相対的な子供の評価を知ってあたふたと塾探しをするお母さん方がいらっしゃる。

ともかく、お母さん方、小学校の評価をあてにせず、是非とも一度、塾で相対的な評価の出る実力試験を受けてみてください。何よりも今の状況を知ることが第一歩です。

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