高2生の面談
○○嬢は都内の私立進学校に通っている。「第一志望は?」の問いに、「△△大の経営学部」という答え。「どうして経営学部なの?」と問うと、「将来、商品の企画や開発に携わる仕事に就きたいから」といった解答だった。とりあえず、今までの模試の結果などから、いくつかの大学の合格可能性などについて話をする。
お母さんが何だか浮かない顔をしている。
確かに、○○嬢の志望動機も、そこから割り出してきた目標も間違ってはいない。というよりも、模範解答に違いない。でも、これって学校などでのキャリア教育の流れからの結論なのだ。いわゆる「いい子ちゃん」の解答だ。それを悪いとは私は言わない。でも、そうした結論は「本当の世の中」を見ていないことが多い。
「あのね、女の子が経営学部を出て、就職して仕事をしていくってとっても大変だってことを知ってる?」
と、問いかけてみる。「えっ、そうなんですかぁ」と。○○嬢のお母さんは今でもお仕事をされている。女性が子供を産み、子育てをしながら仕事を続けていく苦労をご存じのはずだ。きっと、○○嬢が世間を甘く見ていると考えているんじゃないか、と私は思ったのだ。
そこから、お母さんは、管理栄養士の資格が取れる大学はどうなの? とか、□□女子大はどうなの? と○○嬢に問いかけをはじめた。その話っぷりには、もっとしっかりと現実を見つめて進路選択をして欲しい、という親の愛情があふれていた。
高校生に対する私の進路指導は、親としての目線にたってのものに近いと思う。自分の子供たちにも、他人とは違った何かを持たないと世の中はなかなか君を受け入れてくれないよ。飯喰うためにはone of themじゃない何かを身につけることだ、といつも言い続けている。とくに女の子はそれを意識しないとダメだ、とも。
大学3年生になって就職活動をはじめるとき、自分はまわりのみんなと違う何を積み上げてきたのだろう、といった疑問にしっかり答えられるモノを持つこと。それが最終的な目標だと思う。
これからも、問いかけ続けたい。