オリンピックの開催に賛成!?

県立の中・高一貫対策の授業で、「あなたは自国でのオリンピックの開催について、賛成ですか、反対ですか。まず、賛成か反対かを答えてから、あなたがそう考えた理由を書きなさい」という問題があった。

予想通り、全員が「賛成」と答えた。理由は「世界中のたくさんの人が日本を訪れてくれるから」「すばらしい試合を間近で見られるチャンスだから」「世界の人に日本の良いところを知ってもらえるから」「いろんな出会いが期待できるから」等々だった。

うーん。みんな、本当に「いい子ちゃん」だなぁウィンク

「先生は東京でオリンピックを開くことには反対だな」と切り出すと、一様に「えっびっくり」という反応。

「どうしてですか?」
「たとえばね、お金のことを考えてごらん。たくさんのスタジアムとか体育館を建てるにはお金がたくさんいるよね。それには税金が使われる。日本の国は国民一人にたいして670万円というとんでもない借金をかかえているんだ。その借金は君たちが大人になったら税金という形で払うことになるんだよ。たとえば、消費税が10パーセントになるとか」
「うーんしょんぼり
「それにね、東京にはたくさんの人が住んでいるでしょ。そこでオリンピックをするには、今までの環境を壊して、新しくいろんなものをつくる必要があるでしょ。地球温暖化阻止のためにレジ袋を使わない、なんて努力はあっという間に飛んでいってしまうほどのエネルギーが使われるよね。」
「うーん失敗

「いい子ちゃん」は決してほめ言葉ではありません。つねに「違った視点からモノをみる目」を持つこと。それがとっても大切です。大切なことは、ひとつの見方だけでなく、もうひとつ別の見方もあることを知ること。そして、その両方の見方についてしっかりと考え、受け入れること。とくに子供たちにはそうした柔軟性を持っていて欲しいです。

テクニックで言っても、「賛成の意見」よりも「反対の意見」の方が高得点になります。少数意見というものに採点者は弱いモノなんです。

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