受験生の親として

今朝の読売新聞の「論点」は立教大准教授の小島貴子氏のものだった。就職活動に際して親がどのような役割を果たすべきか、といった氏の考えを述べたものだが、それはそのままそっくり受験生を持つ父母にも聞いてもらいたいものだった。以下に氏の意見をかいつまんで掲載しておく。

・・・当たり前だが、「つまづき」や「失敗」が起こる。自分に自信をなくし孤立感を深め、それがあきらめへとつながっていくこともある。「悩み」の根源は「不安」だ。反面、そのつまずきや失敗から成長や気づきもたくさん生まれる。

悩み=不安を解決するのはあくまで本人。しかし、人に話すことで自分とは違う視点を知ることが出来る。「そうか、そういう見方もあったか」、あるいは「なるほど、そんな理由で自分は不安だったのか」という確認が出来る学生は「気づき」が多い。この時こそ、身近な親が子供の不安を安心に変える「気づき」へつなげることが出来るのではないか。親の出番を間違えずに、親だから出来ることがある。

まずは、ていねいに子供の話を聞くことである。話し合いやアドバイスの前のシンプルな「傾聴」である。親はどうしても子供への指示をしがちである。・・・言ってみれば、子供の悩みの解決者ではなく、子供の「不安」をごまかさず、ずらさず、ただ受けとめて聞くことに徹する。子供自身に語らせることが大切だ。「否定しない」「同じ視線に近づく」という姿勢を心がけることだ。

人を動かすのは理屈ではなく、具体的なイメージをともなった思いであることを私たち大人は経験から知っている。「あーしろ、こーしろ」という命令の言葉では人は動かない。・・・そして一番大事なのは、子供に「期待」するのではなく、「信頼」することではないだろうか。

受験生の不安は受験生自身が解消しなければならない。でも、身近にいる親の役割はとても大きい。大切なことは子供の話をしっかりと聞いてあげることだ。上手な聞き役に徹することだ。ひたすらに子供と同じ地平に下りること。自分の意見を投げかけるのではなく、子供の中に生まれるはずの「前へ進んでいくチカラ」を信じて聞き役に徹すること。それが大切だと思う。

子も他人。親は子を自分の所有物と思いがちだ。そうした気持ちを徹底的に排除し、1人の人間として受験生としての子に向き合う。なかなか難しいが、それが受験生の親としての最も大切な「立ち位置」なのではないだろうか。