こども電車
小学生の課題図書2冊目は「こども電車 岡田潤」金の星社 1,300円です。
無垢で素直な心を持つこどもしか乗れない「こども電車」。心に深い傷を負ったり、自分にうそをついて心に影を落としている子供は乗れなくなってしまう。こども電車の最終便は午後9時発。こどもたちの夢や希望を乗せて、お菓子の国やオシャレの国、虫の国や海の国へと今日もこどもたちを運んでいく。
小さな時に海でおぼれかけた自分を助けようとした父親を亡くした遼。それ以来、青い電車には乗れなくなっていた。そんなトラウマを乗り越えようとする遼を親身になって手助けする慧。友情は遼の気持ちを解放する。前半は遼、慧、大樹の男の子三人の物語。
クラスの中でいじめがあった。愛が玲奈にいじめられている。そのことがクラス全体に波紋を広げていく。さらにそのいじめにはもっと深いものが隠されていた。クラス委員の美咲。彼女にも誰にも言えなかった秘密が心の奥深くに隠されていたのだ。病気で入院し、命が危なくなった玲奈を助けるため、クラスのみんなでこども電車に乗ることが計画される。
この本もお薦めです。ファンタジーのようでいて、現実世界のことがしっかりと書き込まれています。読書感想文を書くには、テーマとなりそうな「種」がたくさんちりばめられています。お話しを読むのが大好きな女の子はもちろんのこと、男の子でも自分のクラスでの出来事と引き比べながら読むことが出来るはずです。
絵は水墨画家でもある作者が自ら描いたもの。これも心が癒されます。登場するキャラクターもそれぞれが生き生きとしていて、一気に読めてしまうと思いますよ。