作文指導

中3生も読書感想文講座を受けたい、という要望が多かったので、小5から中3まで、5学年で「とに書く感想文講座」をおこなっている。

初回は「感想文とは何か?」という話をし、ミニ感想文で「感想文の書き方の実際」を体験してもらった。2回目は、読んできた本の中で「心が動いた部分」に付箋を貼ってもらう。付箋は、その部分に対して「賛成、反対、疑問」のいずれの心の動きがあったのかによって色分けをする。その付箋を貼った部分を「ポイントシート」という紙に書き写し、どうしてそこの部分に心を動かしたのかの理由も書き添える。ポイントシートは10枚ほどつくらせる。

今日は、そのポイントシートから2つを選び出し、その内容をふくらませていく作業をさせる。選ぶ基準は、「読書体験」から「自分の中に新たな何かを発見できたか」ということだ。「読書感想文は本を読んだ感想を書くモノではない」ということは何度も言い続けている。では何を書くのか。読書という体験によって、自分の中に新たに発見された「新しい自分」を書くのだ。といっても、ここがなかなか難しい。ポイントシートから2つのエピソード選び出す基準は、そこから自分の体験に結びつけられるか、といった点になる。私の補助が最も必要なところだ。

1時間ほどかけて、2つの読書体験のエピソードから、自分の心の動き、その理由、自己発見、自己体験、決意、といった内容を新たにまとめさせていく。午前中の小6の授業では、11人中8人までがほぼ完成できた。残りの3人は先ほどまで残して流れを補助しておいた。ここまで出来ていれば、感想文の骨組みは出来上がったも同然。次回は、この材料を元にして、文章の流れを全体で5ブロックに分け、それぞれのブロックごとに下書きをさせていく。

こうした作業を通じて、文を書くと言うことの作業工程を知ってもらいたい。工程がわかれば、その応用範囲はひろがっていく。自己PR書であれ、就活のエントリーシートであれ、工程しっかりしないままに書き出すから行き詰まってしまう。何よりも大切なことは「作業工程の理解」ということだ。

さらに今回の作業工程以外にも文を書く工程はいくつもある。自分の中に複数の工程を持っておくことも大切だ。とりあえず、ひとつの工程を今回はしっかりと身につけてもらう。

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