センター試験の廃止 現中2生が大学受験をむかえるとき
・・新たに導入する方針の高校在学中の到達度テストを「基礎」と「発展」の2段階レベルとし、大学入試センター試験はこのうち発展レベルに衣替えする方向で入試改革の提言を検討している・・ 導入時期は5〜6年後になる見通し。
先日もこのことについては書きました。http://plaza.rakuten.co.jp/miyajuku/diary/201310040000/
こうした制度改革の背景には、高校生が勉強をしなくなったことがあげられる。ベネッセ教育開発センターの調査によれば、高校生の学校外における平日の学習時間はここ数年大きく減少。特に偏差値50~55の中間層=ボリュームゾーンが、90年の112.1分から、06年には60.3分へと、半分近くに落ちてしまっているとのこと。在学中にこうした「到達度テスト」が実施されれば、ある意味で高校生の学力の質が担保されることになる。
ただ、「基礎」と「発展」のどちらをどのように選択するのか、とか、それがどのように大学入試に利用されるのか、などといった部分はこれからの議論になるわけだ。さらに、多くの私立大学がこの到達度テストにどのように向き合うかは全く不透明。すでに、センター試験利用をやめる私立大学も出てきている。入試=どんな学生にきて欲しいか、といった大学の独自性が発揮さける部分だ。そう簡単にひとつの方向に向いていくことはないだろう。
いずれにしても、5〜6年ごと言うことは、現中2〜中1の世代ということだ。この世代が大学受験をするときには、制度そのものが大きく改変され、ちょっとした混乱の中で大学入試を向かえることになる。さらに、その後の数年間は同じように落ち着かない時が続くことだろう。そうしたことを頭において高校入試、中学入試を、お父さん、お母さんは考えていく必要がある。
公立の高校は基本的に進路指導をほとんどしてくれない。というよりも、自由意志を尊重するスタンスでのぞんでいる。こうした入試制度の激変に対応できるとは思えない。私立の上位校、進学校は、いち早くこうした動きに対応した「手」をどんどんうってくるはずだ。それは自らの経営にかかわってくる問題だからだ。学習塾の役割もさらに大きくなると思う。受験のプロとして的確なアドバイスを生徒や保護者にしていく義務がある。
もうひとつ付け加えると、一般受験ではなく、指定校推薦、公募推薦、AO試験、などの入試の形がますます増えていきそうにも思う。定期試験対策をし、高校での学校成績をしっかりと修め、到達度テストで良い成績をとる。そして指定校なり、公募なりで大学に進学する。そんなスタイルがさらに大きくなるかもしれない。塾もそうしたニーズに対応できるようにシステムを作っていかねばならないかもしれない。