読書感想文の指導

読書感想文の指導を通じて私が最も生徒たちに伝えたいこは、文章を書くための設計図づくりの大切さ、ということです。

今回の指導は以下のように進みます。

読書体験 → その中での気づき → 気づきの分析(具体的に賛成、反対、疑問) → その理由 → 自分への問いかけ → 自己体験へつなげていく → 決意

まぁ、これだけで指導の中身がイメージできる方はいらっしゃらないでしょうが(笑)

作業としては、付箋を貼って、メモをして、こちらが準備したシートに書き込んでいって、ということになります。部品をつくり、その部品を最終的に組み立てて感想文全体を完成する、といった流れです。組み立ての段階ではほとんど内容としては出来上がっているのですから、少し味付けとして修辞法のスパイスを効かせることもできます。決めぜりふを考えたり、倒置を使ってみたり、ちょっとことわざを入れてみたり、ということです。

感想文を書くというと、こどもたちはいきなり原稿用紙に向かっていくのがふつうです。勢い、だらだらとあらすじを書き、おもしろかったとか感動した、なんて言葉を書いて終わり、というのが関の山。文章を書くということは、どれだけしっかりと準備をすることなのか、という大事なことを誰も教えてくれないからです。

もちろん、材料はすべてを利用するわけではありません。今回も、最初の段階では「種」は十個近く準備させます。その「種」から二つをピックアップして感想文を書いていきます。「種」が悪い場合は最初の材料集めからやり直しになります。どんな文章を書く場合も同じことではないでしょうか。「何を書くのか」といった「種」がしっかりとしていないと良い文章には仕上がりません。

こうした一連の作業は、中3生であれば、来春入試時の面接シート書きに役立つはずですし、文章作法を身につけるきっかけになってくれるはずです。文章を書くと言うことは、設計図づくりが最も大切な作業なのです。

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