2020年 大学入試が大きく変わる というよりも日本の教育がかわる!? その3

前回、改革のポイントを5つあげました。今日はその中の『センター試験がなくなり新しくふたつの試験が創設される』についてです。

現在のセンター試験は1990年から実施されています。このセンター試験は2020年1月を最後に廃止されます。かわって二つの試験が新たにスタートします。「高等学校基礎学力テスト」と「大学入学希望者学力評価テスト」です。

「高等学校基礎学力テスト」は、現中1が高校2年生になる時から実施される予定です。「高校の教育の質の確保と向上」が目的なので、中心となる出題は「知識・技能」を問う問題になります。解答方式は選択方式が原則で、従来型のテストに近いものです。現中1が受験する際は、「国語総合」「数学」「世界史」「現代社会」「物理基礎」「コミュニュケーション英語」などといった高校での必修履修科目が試験科目となります。

結果は具体的な点数ではなく、何段階にランクわけされたうちのどこに属するかが示されるようです。とりあえずは高2,高3での受検が想定されていますが、将来的には高1からの受検も検討されています。今までの大学入試であれば、推薦・AOに関わってくる試験になるのでしょうが、その見直しが示されている中で、このテストがどのように利用されるのかは現在のところ不明です。普通に考えれば、この試験の結果次第で、従来の推薦・AOにかわる新しい入試の仕組みの合否が決まっていく、ということなのでしょう。

もうひとつの新テストが「大学入学者学力評価テスト」というものです。こちらが「センター試験」に代わるものです。「知識・技能」を単独で評価するのではなく、「思考力・判断力・表現力」を中心に評価するとしています。また、「教科型」にくわえて、現行の教科・科目の枠組みをこえた「合教科・総合型」の出題もし、将来的にはそちらだけでの実施を目指すとのことです。

「大学入学者学力評価テスト」も年複数回実施され、成績は段階別評価で受験者に提供されるとのこと。たとえば、△△大学の個別選抜の受験者資格として、「大学入学者学力評価テスト」の成績がA評価のもの、といった利用が想定されます。

気になるのは「合教科・総合型」の出題です。予想すると、神奈川県ですでに実施されている「特色検査」の問題を想像すると良いのではないでしょうか。数学の問題を英語で出題したり、問題の中に音楽や美術の知識を採り入れたり、資料読み取って自分の意見を述べたり、といったものになるはずです。

学力の二極化が進んでいる、といわれますが、こうした「思考力・判断力・表現力」を問う問題や、「合教科・総合型」の出題が増えると、そうした傾向にさらに拍車がかかると思われます。「特色検査」を嫌がるのではなく、積極的に「特色検査」のある上位校に挑戦する気持ちで高校受験にのぞむことが、こうした新しい大学入試改革に対しては大切なのだと知っておいてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次