湘南高校の今年の特色検査の問題

今日は「特色検査(自己表現活動)」についてです。今年はmiyajukuから湘南高校と厚木高校を受験した生徒がいるので、手もとにこの2校の「特色検査」の問題があります。

そもそも「特色検査(自己表現活動)」とはなんなのか。これは5教科の一般試験以外に、それぞれの高校が独自に実施する検査(試験)で、「自己表現検査」か「実技検査」を実施することができます。「実技検査」の方はわかりやすく、美術や音楽、体育のコースなどでそれらの技能をみる検査です。

それでは「自己表現検査」はいったいなにをするのか? この検査を実施しているのは、湘南、横浜翠嵐、厚木、平塚江南、柏陽、小田原・・・ 進学トップ校ばかりです。たとえば湘南高校の場合は、5科の試験500点+学校の成績300点+面接200点+特色検査100点の1100点で合否が決まります。ちなみに、湘南高校の面接点はほぼ全員が満点になるのでそこでは差がつきません。

さて、今年の湘南高校の特色検査の問題をみながら、何が出題されるのが特色検査なのかを具体的に見てみましょう。

フードマイレージ(食糧を生産地から消費地まで運ぶのに使用される燃料から排出される二酸化炭素の大小を示す指標)について説明があり、ふたつの食材のうちどちらがフードマイレージが小さいか、といった出題。

「含意法」「換喩法」「緩叙法」「誇張法」「擬人法」などという日本語のレトリックについての出題。この出題の中には、複数の英文の中から「擬人法」がつかわれているものを選ぶなどといった教科横断的な出題もあります。

朝日新聞の「それぞれの国のエネルギー事情」の文章を読んで、表の中からそれぞれの国を選ぶも問題。

下の絵の中から「一点透視図法」と「空気遠近法」の絵を選択する問題。

湘南高校特色問題

これら以外にも、数学的な規則性の問題、理科の光の進み方の問題なとも出題されています。

どうですか。こうした教科横断型の出題が特色検査ですが、学校ごとに出題の傾向が全く違っています。湘南高校は最も様々な教科から融合的な問題を出題し、最も入試っぽくない特色検査になっています。この学校は、机の上の学習だけでなく、美術も音楽も体育も・・・総合的に出来る生徒がもともと入学してくる学校なのでこうした出題になっているのでしょう。

逆に横浜翠嵐高校のように、英語や数学といった教科をミックスはしていても、限りなく「普通の難易度の高い入試問題」に近い出題の学校もあります。

今年の湘南高校の特色検査の問題は、過去2年のものよりもずっと取り組みやすかったはずです。もちろん、3年目ということで受験者がそれなりに対策をとったから、とも言えるでしょうが。したがって、特色検査で合否に差がつくことはほとんどないといっていいでしょう。これは、湘南高校を訪問したときに、校長先生がおっしゃっていた通りです。http://plaza.rakuten.co.jp/miyajuku/diary/201410230000/

特色検査があるから、と、これらの進学トップ校の受験を嫌う生徒は多いです。でも、それはもったいないことです。それはどうしてか、また、こうした特色検査にどう対応すれば良いのか、そんな話はまた別の機会に。

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