入試は「一問一答」的な出題は消えて思考力を問う問題になっている

私立中学受験も高校受験もそうだが、単純な知識問題はほとんど見かけなくなった。

ひとつの例として下の問題を見てみたい。日本女子大付属中の平成29年度第1回の社会の問題だ。みなさんもいっしょに考えてみましょう。

問1 県A・Fの県名を答えなさい。

問2 県Bにある世界遺産はどれか。
( )富士山 ( )日光東照宮 ( )富岡製糸場 ( )法隆寺

問3 県Dではある農作物の生産量が日本で最も多い。それはなにか。
( )こんにゃくいも ( )いちご ( )レタス ( )ピーマン

このあとも問題は続くのだが、とりあえずここまでとして・・・

先ずは地理の知識として「海に面していない都道府県」が出てこないといけない。北から山形県、栃木県、群馬県、埼玉県、長野県、岐阜県、滋賀県、奈良県の8県。さらにそれら8県の特徴をしっかりと理解していて、なおかつ表をしっかりと読み取れないとわからない。

まず、人口密度と面積に注目。Aは人口密度が最も多いので埼玉県。Hは面積が最も多きく果実の産出量も最も多いので長野県。Fは面積が2番目に大きいので、岐阜県か奈良県あたり。国宝・文化財の数がBは突出して多いので奈良県。したがってFが岐阜県。ついでに国宝・文化財の数が2番目に多いCは滋賀県。残りをみて特長をとらえると、Dはキャベツの生産が多いので群馬県、Cは面積が小さくて果実の生産が多いので山梨県。

こんな様子で問題を解いていく。

さらに出題は県名を答えさせるだけでなく、問2はBが奈良県だとわかった上で世界遺産の法隆寺を選ばせ、問3は群馬県でキャベツと並んで生産が有名なこんにゃくいもを選択させる。

問4はさらに他の都道府県も加えて円グラフを読み取らせる問題。左のグラフは長野県が第2位でaが半分以上をしめている果実として「リンゴ」を選び、右のグラフは・・・と続く。このあと、これら8県の雨温図が出てきて、そのうちの長野県を選択させる問題などへ続いていく。

私立中学入試の社会や理科の問題には「一問一答」的な出題はまったく見かけなくなったといえる。この傾向は神奈川県の公立高校入試でも同じことがいえる。難易度からいうと日本女子大付中学の問題よりは神奈川県の公立高校の入試問題の方が易しいことは付け加えておくが(^_-)

保護者の皆さんも「かわった入試問題」について少し関心をもって欲しいと思う。と同時に、こうした「思考力・判断力」を投入し問題にどう対処していくのか。対処できる子どもとそうでない子どもの「格差」はこれからどんどん開いていくことになる。県入試でもこうした問題が解けないと500点満点で350点以上の得点はとれない。350点以上というのは地域の準トップになんとか合格できる得点だ。

複合的にものをとらえる訓練

これが最も求められていて、今の子どもたちにいちばん欠けているものでもある。