“withコロナ”の中で新しい学力観について考えてみる
“withコロナ”という言葉がさかんに言われるようになりました。従来の価値観と違った世界が目の前に広がりはじめたということでしょう。
わたしはかなり柔軟な思考のできるタイプだと自己分析しています。“withコロナ”の中で最も大切のはこの柔軟性ではないでしょうか。そして、それはこれからの時代に最も必要なチカラでもあると思うのです。
柔軟な思考ってなんでしょうか。それは様々な場面に対応する能力だと思います。コロナ禍の中で明日のことが読めない状況が多々ありました。何かあったら即座にそれに対応していくことが求められました。そもそも「学校を全国一斉に休校する」といった事態を誰が想像できたでしょう。起こりえないことが起こってしまい、それまでの対処方はすべて役に立たなくなってしまったのです。
決められたことを、決められたとおりに進めていく。それはそれで大切なチカラです。平常時には最も求められる能力でしょう。しかし、非常時にはまったく別のチカラが求められます。自分の能力をしっかりと把握し、自分にできることを分析し、その場面の中ではなにを有効に使えるかを瞬時に判断する。同時に足りない部分については即座に学び直してスキルを身につける。それでも足りない部分はどこで補えるのかの情報を入手する・・・ 柔軟な対応というのは具体的にそんなことです。
“withコロナ”といわれていますが、これからの時代はそうした柔軟性がつねに求められることになるはずです。だからこそ、今年から様々な教育改革がおこなわれていくのです。
自ら課題を見つけてそれを解決していく能力。自分の力で考えて行動する能力。文科省がこれからの子どもたちに必要な能力だとしているものです。それこそが柔軟な思考だと思うのです。
子どもたちにとってはこの3月からの状況は厳しいものがあります。でも、こんな時だからこそ「柔軟な思考」ができるように自分を鍛えていって欲しいです。変化が激しい時代の中をどう生きていくか。実地で学んでいって欲しいです。
とはいっても大事なことは知識をしっかりと身につけることです。とにかくしっかりと学ぶことです。学びの中にはむだなことはありません。
数学なんて社会に出てから何の役にもたたない、という人がいます。確かに数学そのものを社会に出てから利用することは少ないでしょう。しかし、数学を学ぶことによって身につけた「数学的な思考」はあらゆる場面で必要となります。その他のどの教科も同じです。あらゆる教科の学習が君たちの血となり肉となっていくのです。
“withコロナ”の中。大事なことは学び続けることです。