来春からの中学校の英語の教科書が大変なことになっている!?
来春は中学校の教科書の改訂年度です。しかも、新指導要領に変わる年なので、大きく学習内容がかわります。そんな教科書の閲覧会が各地でおこなわれていて、新教科書を見た塾関係者の方が「英語の教科書が大変なことになっている」と発信しています。
小学校の英語が教科化され年間70時間の授業が実施されています。授業の内容も4技能5領域となり、「読む」「書く」にも取り組むことになっています。小学校卒業時に今までの中1終了近くの英語力がついている、と考えて良いはずです。
新しい中学校の英語の教科書はそんな基本方針の下に作られているようです。
さて、その中学校の新しい英語の教科書ですが、こんなデータがあります。
1,200語 → 2,200語
なんだかわかりますか? 1,200語は今の中学生が学んでいる英単語の数。2,200語は新しい教科書で学ぶ来年以降の中学生が学ぶ単語の数です。2倍ですね。確かに、保護者の方が中学生だった頃は、教科書に出てくる英単語は「書ける」ことが求められました。新しい英語の教科書では「意味が理解できる語」「話したり書いたりできる語」などと分けられています。
とはいっても、これだけ英単語が増えるということは、教科書そのものを理解するのが難しくなったということです。教科書会社の担当者でさえ「作ってはみたものの、どれだけの生徒がついてこられるか」(新興出版社啓林館の担当者)と言っています。
また、専門家もこんなことを言っています。
大津由紀雄・慶大名誉教授(英語学)の話 語彙(ごい)も文構造も盛りだくさんで、現行の教科書より難易度がかなり高くなっている。教科書間でレベルの差があるが、説明が少ないものが目立つ。これで果たしてどれだけの生徒がついてこられるのか疑問だ。生徒たちは小学校の英語の教科化で英語嫌いになったうえに、中学校でも立ち直れず、二度つまずきかねない。不安になって塾に行く子が増え、経済的に行けない子との間で格差が開きそうだ。 朝日新聞の記事より抜粋
さて、小学校の英語ですが、生徒たちの話しを聞く限りでは、教科化されたのにこれまでとあまり変わっていない授業が続いているようです。このままでは、現6年生は、来春に中学に入学した後、この新教科書のハードルを越えられないままに英語の学習に挫折することになってしまうのかも知れません。
小学校の間に理解できる語彙数を少しでも増やしておくこと。それが最も大切なことだと思います。
小5、6のお子さんがいる家庭は「学校の英語の授業で教科書を使っている?」と聞いてみてください。わたしが聞いた限りではほぼ半数の生徒が「使ってない」と答えています。
今の小学校の英語の教科書はかなりのボリュームがあります。学校で使っていないようでしたら、ご家庭で教科書に出てくる英単語を覚える時間をとりたいです。もちろん、塾の小学生の英語のクラスでは語彙を増やす学習をしています。