高校受験の志望校を決めるにあたって、今の時期にすべきこと。
公立高校、私立高校の学校説明会があちこちではじまっています。ネットを通じての情報しかなかったのが、実際に学校にうかがい、そこで説明を聞くチャンスは大切です。とはいっても、いつもの年と違って、人数制限が設けられていたり、小さな会場での実施だったりと、窮屈なものになっています。なかなか予約がとれないで困っている生徒もいます。さて、10月の声を聞き、そろそろ志望校のしぼり込みも必要かな、と思っているご家庭も多いことでしょう。
そんな皆さんにわたしからのアドバイスです。ここからは公立高校を第1志望とし、私立高校を併願する場合の話しです。
何度も繰り返しますが、私立高校は「学校成績だけ」でほぼ合否が決まります。今年はコロナ禍の影響もあり、2月10日の試験を実施しないで「書類選考入試」にする学校も増えています。たとえ2月10日に試験があったとしても、私立高校の合格はそれ以前の段階で決まっていると理解してください。では、いつ決まるのか、ということです。それは12月10日前後に、所属する中学校の先生方が各私立高校を生徒の成績を持って訪問し、事前相談をする段階で決まります。つまり11月の末に出される学校成績をもとにして12月半ばには決まるということです。もちろん各私立高校から出される基準に達していることが前提です。
ということは、いま中3受験生がしっかりと考えておかねばならないことは、公立高校をどこを受験するかではなく、私立の併願校をどこにするかということです。この決断はすぐ目の前に迫っています。もちろん学校成績が確定しないとどこに行けるかははっきりしませんが、おおよそ見当として「○○高校か△△高校」というぐらいに2校から3校ぐらいにしぼり込んでおく必要があります。ご家庭でも「先ずは私立の併願校をどこにするか」をきちんと話しあって決めておくことです。
公立校をどこに志願するかは1月末で大丈夫です。こちらは学校成績だけというより、当日の入試得点が合否に大きく関わってきます。そして、その入試得点を決める「受験勉強」は11月の半ばからのスタートになります。ですから、今の段階では志望校をしぼり込んでいく必要は全くありません。「○○高校」を第1希望にして勉強の進み具合では「△△高校」にかえるかも、といった大きなしぼり込みで十分です。ですから、学校説明会も数校に足を運んでおきましょう。最終的な倍率も誰にも予想できません。受験する可能性がある3or4校の説明会を聞いておいてよいと思います。
もういちど。
今、中3受験生がしっかりと考えておくべきことは、併願の私立高校をどこにするか、ということです。公立高校の志望校のしぼり込みはもっとずっと先でかまいません。この段階で「自分の行きたい学校」をあきらめることはしてはなりません。逆に、私立高校の併願はしっかり考えておかないと学校成績で自動的に決められてしまいかねません。だからきちんとこの時期に考えておくべきなのです。なにを基準に選択するかはご家庭の方針です。通いやすさ、授業料、学校の成り立ち、進学実績・・・ 様々な観点があるはずです。とにかく、私立高校の併願をどこにするか。それをしっかりとお子さんと話しあってください。