公立小・中学校の教育に関する意識調査
今朝の朝日新聞に「公立小・中学校の教育に関する意識調査」が掲載されていた。
「子供が通っている学校(公立)に満足していますか?」の質問には「とても+まあ満足」で8割越え。「先生への評価は?」の質問には「信頼できる/56.8%」「教育熱心さに満足/64.0%」「教科の指導に満足/72.8%」という結果だという。いずれも04年度の調査に比べると大きく満足度がアップしているようだ。とくに都市部での満足度の上昇が大きい。
記事の中で専門家は、こうした結果をつぎのように読み解いていた。「情報公開や学力向上の取り組みを肯定的に評価する層が増えた」「不満層が私立などに進学して調査対象からはずれた」「期待水準が下がった」「学校は基礎・基本だけを教えてくれればいい。受験指導は学習塾に求めるという親の意識のあらわれ」「公立にはさまざまな子がいて我が子のニーズに応えてはくれないと親がわかった」「保護者の教育要求を一枚岩的にとらえるのは不可能」
確かに、学校への満足度は上がっているのに、塾などへの家庭の支出は大きくアップしている。この背反した結果から考えると、学校に対する期待値が下がり、学力指導は学習塾にといった意識が見えてくる。調査にもあるように、親が高学歴で経済的なゆとりがある家庭ほど子供に手厚く教育投資をしている。教育を通して社会の格差が再生産されている実態は確かだろう。
新聞では「これまで公立学校中心だった教育政策を私学や学習塾にまで広げて考え、福祉的な視点で改革を見直すことが求められている」と結んでいるが、確かにそのとおりだと考えさせられた。