もう一度、校長解任について
私は「単位制通信高校」も運営していることは何度か書いた。一段落したが、9月から10月にかけては多くの問い合わせがある。その多くが高1の夏休み明けに学校を辞めてしまう生徒たちだ。今日の午前中もそうした経緯で新しく入学してきた生徒の学習指導をしていた。だから、どれだけ多くの高校生が学校を辞めていっているのか、その生徒たちがその後どうしていくのか、そんなことをよく知っている。
校長が解任された神田高校も年間100人の生徒が辞めていく課題校だ。そんな学校を少しでも良い方向に進めようと校長は努力したのだと思う。確かに、入り口段階で切り捨てるのはけしからん。そうした生徒を教育してこそ真の教育者だろう。そんな意見も成り立つ。しかし、現実はそんなに甘いものではない。設備もなく医者もいないのに地域の医療センターにさせられた病院と同じことで、今の教育制度の中の後期高等教育は「大学進学の前段階」としての高校であって、問題をかかえた生徒をまともにする場ではないのだ。そんな仕組みになっていない。
先日の記事でも書いたが、神奈川県が来春スタートさせる新タイプの学校。入学試験をなくし「やる気」のある生徒を入学させる。学力よりも社会参加やキャリア教育に力をいれる。1時限を25分とし、柔軟に学習指導もおこなっていく。そんな画期的な取り組みもこうした問題が背景にあるからだ。
国語、数学、理科、英語・・・を教える高校ではない高校。社会に出て行く前段階としての教育をおこなう高校。そんな高校があっても良いだろうし、そうした高校をのぞんでいる中学生も多い。そうした制度改革こそ急がれるのではないだろうか。
でも、そうであればこそ余計に「入学試験時にはきちんとした服装をしておいで」という常識は持っているべきだろう。