実力をつけるチャンス
実力をつけるというのは、学校の学習を離れることを意味する。
学校の成績と実力は相関関係にない。
いくら学校の成績が良くても、それは実力があることの証明にはならない。
私は学校の成績でオール5はとらない方が良いと思っている。オール5をとるための労力を、実力をつけるための学習に振り向けた方が、高校に進学してからグンと伸びていくはずだからだ。
こうした言い方をすると多くのお母様から反発を受けそうだ お母様方にとって、学校の成績とは絶対のものだからだ。
学校の勉強は本当に「基礎的な学習」に限られている。学校の成績を上げるためには、この「基礎的な学習」の反復学習になってしまう。実力というのは、難易度の高い学習に挑戦していくことで身につけられる。だから、学校の成績をアップすることと、実力をつけることは違うベクトルを向いている。
たとえば、学校の英語の定期試験には「英作文」「英文和訳」「書き換え問題」などといった出題はほとんどない。神奈川県の高校入試問題にも出題はない。もっと言ってしまうと大学入試センター試験にもない。ということは、このレベルの試験に合わせた学習では、そんな学習は一切必要ないわけだ。中学校の英語の成績をアップするには、とにかくひたすらに教科書の内容を覚え込んでしまえばよい。暗唱し、すらすらと本文を書けるようであればほとんど満点が取れる。でも、それは英語の実力ではない。
もちろん、塾には、学校の成績アップももとめられる。試験前にはそうした指導をする。県立の入試問題対策でも当然そうした指導をする。県立の入試対策で、「英作文」やら「英文解釈」を指導することは絶対にない。そんな出題はないのだから当たり前の話だ。
だからこそ、この夏休みの前半講習が重要なのだ。この時期だけが実力をつける時期になる。後半講習は9月の前期期末試練対策一色になる。12月以降は入試対策になる。ここでは実力をつけることは止めて、学校の試験対策に入試対策に絞った指導をせざる得ない。
中3生であれば、この時期だけ、きちんと英文の構造を教えていくことが出来る。二乗に比例する関数と一次関数の応用問題にじっくりと取り組める。実力をつけるチャンスなのだ。高校生になってからの「伸び」を意識した学習をさせられる。中位の成績の生徒も同じことだ。中位だからこそ、高校での飛躍の基礎固めをここでしておきたい。
学校の学習を意識するのは後半講習からでよい。