最近の中学生は・・・

最近の若者は・・・ とか、最近の中学生は・・・ なんて言い方を出来るだけしないようにしている。なぜって、私たちの感じている「最近」というのが急激に変質してきているからだ。

私たちの「最近」という情報の中に占めるネットの割合が急速に増えてきている。このネットを通じての「最近」という情報は、きわめて「隔たった情報」だということを知っておかねばならない。

たとえば「中学生が登呂遺跡で大暴れ!復元住居壊してチャンバラ」といった事件。ネット社会でなければ、地方のローカル局のニュースにしか過ぎない。しかし、ネット社会の中では「全国ニュース」になってしまう。そして、こうしたニュースがネットに流される理由として「ほーらみたことか。最近の中学生は悪さばかりしている。」といった「悪意の眼」が介在しているし、お昼のワイドショーに取り上げられやすい事件でもあるから、といった理由があるはずだ。

ちょっと注意してみると、ネット上に出されてくる事件は、2チャンネルで話題になりそうだったり、ツイッターでつぶやきやすかったりする、ちょっと昔であれば井戸端会議の話題になりそうな「ワイドショーネタ」が多いことに気づく。最近のツイッターでの話題の第一は「ガチャピン」だということだ。タモリがやっている番組に「ガチャピン」が呼ばれて、それが大きなネット上での話題になっているらしい。その同一の地平上にネットの「最近」はあることを忘れてはいけない。

私は「自分の目で見て、手でさわってみて」といった情報を大切にしたいと思っている。miyajukuの中学生をはじめとして、私が日々接している中学生は「まじめで日々をその子たちなりに真剣に過ごしている」と感じている。悩みもするし、いろんなことにぶつかったりもするが、それは12歳から15歳の特権でもあるし、そうして少しずつ大人になっていく。

登呂遺跡の縦穴住居のカヤを抜き取ってチャンバラをした中学生も、案外そうした中学生だと想像してみたらどうだろうか。こうした事件も全く違ったものに感じられるはずだ。ちょっとやんちゃな男の子たち。確かに善悪の判断については教えてあげねばならないが、この事件から「最近の中学生は・・・」という意見には発展しないと思うのだ。

ネットの情報には、それを伝えようとしているモノや組織やヒトによって「フィルター」がかかっていること。それを十分に理解した上でネットを利用しなければいけない。少なくともmiyajukuの生徒たちにはそんなことをしっかりと伝えたいと思っている。出来れば、その後ろにいらっしゃるお母様たちもそのことを理解していただければうれしいです。

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