平坦な道ばかりを歩いていると
平坦な道ばかりを歩いているとどうなるだろうか。ちょっとしたでこぼこ道では転んで進めなくなり、そんなに高くない石にも行く手をはばまれて立ち往生してしまう。今の小学生の学習がこの「平坦な道ばかりを歩く」ものになっている。
かけ算の単元ではかけ算の文章題しかやらない。生徒たちは問題文など読んでいない。何しろそこにある二つの数字をかけるだけで答えが出てくる。こんな問題をいくらたくさんやっても何の意味もない。出来る問題ばかりをやっている。出来ない問題やわからない問題にぶつかることはまれだ。
だから式を書こうとしない。書く必要がない学習しかしていないのだからしかたがない。そして式が二つになるともうダメだ。「僕は文章問題が不得意だ」ですませてしまう。単位がかわるともうむちゃくちゃだ。4kmを30分で歩いたときの時速は、などという問題はお手上げになる。
塾では「速さ」の問題になると数字に単位をつけた式を書かせるのだが、これを守らせるにはひと苦労だ。面倒なのだろう。面倒でない問題しかやってきていないから、ちょっと面倒になると投げてしまう。踏ん張って頑張るチカラがない。
この流れは中学生になってもほとんど変わらない。そうした生徒はそのまま高校生になりオトナになっていく。問題を分析し、細かく区切って考えるチカラを持てないオトナになってしまう。ちょっとした困難にぶつかるとあきらめてしまうオトナになってしまう。算数や数学は生き方につながっている。
今週はちょっと厳しい言い方で、大きな声で小学生に算数の指導をしている。4月から時間も経ったので5年生も大丈夫かな、と思ってのことだ。勉強への取り組み姿勢が変わって欲しい、変えて欲しい。切に願ってのことだ。
嫌にならずについてきて欲しい。