被災地ボランティア報告 その1
それでも、想像以上の収穫を得たことは間違いありません。こどもたちは「なにものにもかえがたい経験」をしてきました。大げさでなく、人生を変える数日間になったはずです。この写真はすべての作業が終わった後に撮ったものです。みんないい顔をしています。やりとげたぁ、っていう顔ばかりです。そんなボランティア活動を2回に分けて報告します。
9日の金曜日22時に中央林間を出発。お盆の渋滞をさけるために東北道経由ではなく常磐道周りで仙台へ。それでも途中で何カ所かの渋滞に巻き込まれ、7時前に仙台に到着。まずは閖上地区を訪れます。こちらは2回目で報告します。8時過ぎに今回の作業をおこなう宮城野区蒲生地区の農場に到着。ここは最新のハウス農業をおこなっているところです。オランダやイスラエルからシステムを輸入しているとのこと。こうした最新農法に触れることが出来るだけでもこどもたちにはすごい体験になります。
今回うかがった 農業法人「みちさき」 のHomePageが ここ にあります。
この周辺は津波であらわれてしまい、田んぼは塩害で米を育てることが出来なくなってしまいました。そこで、被災した農家5人で農業法人を立ち上げ、養液栽培施設(植物工場・野菜工場)での農作物生産を目指しているのです。約4ヘクタールの土地に2.7ヘクタールの高度環境施設を建設し、ホウレンソウ、トマト、イチゴ、リーフレタスを通年で生産する予定とのこと。総事業費は15億円という大きなプロジェクトです。そんな一端にこどもたちはふれさせてもらえたわけです。
といっても、作業はそれほど複雑ではありません。イチゴの栽培をおこなうハウスに入り、栽培用の金属製の長いトレイに「もみ殻」を入れていく作業です。それでも、トレイの長さは全長で3kmです。暑さの中、単調で厳しい作業です。しかし、こどもたちは本当にてきぱきと良く動きました。私も感動しました。現地の方にも心からほめていただけました。塾長としてこの子たちを本当にほこらしく思ったしだいです。涙が出そうでした。そのぐらいみんな頑張りました。
ここで働いている方たちは、自らが津波で流されて九死に一生をえたり、家族を亡くしたりした方ばかりです。それでもこれだけの事業を立ち上げているのです。社長さんの話が印象的でした。「津波で流されたこの場所で新たな出発をしないことには意味がない」そんな姿はこどもたちにどんな印象を与えたでしょうか。テレビなどではゼッタイにわからない被災地の今の様子を肌で感じたはずです。
この報告は明日に続きます。