世相と指導要領の改訂

今日も大手教材会社主催の「指導要領と教科書改訂」についてのセミナーに参加してきました。これで三社目です。それぞれのセミナーが「ポイントとして改訂をどう見るか」といった点が違っていてどれも興味深いです。それぞれのセミナーで仕入れた情報と私自身の考えをまとめて、来月には「教科書改訂の先に見えてくるもの」といった保護者会を開催します。

さて、今日のセミナーでもいろいろとおもしろい話がありましたが、その中のひとつだけを紹介しておきたいと思います。

情報セミナー

これは英数国社理の5教科の授業時間数が過去にどのように推移してきたかの表です。指導要領はほぼ十年おきに改訂されるのですが、1960年代を100とすると、1980年代から授業時間数が減り始め、この十年間は3/4までになっていたことがわかります。70年代はよく勉強したんですね。私が中学生だった時です。80年代のはじめは、いわゆる「ゆとり教育」が叫ばれ出した時です。あの「サカキバラ事件」などがあり、こどもたちに余裕を持たせるべきだ、といった世論がつよかった時代です。

そして、来年からの改訂です。主要5教科の授業時間数は80年代と同じ量にもどります。「ゆとり教育」からの転換といわれる所以ですね。時代の要求は、これからの「厳しさ」を予想して、より高い学力をこどもたちにつけさせるべき、という方向に舵を切っていくわけです。指導要領が世相を映しているわけです。

ただ、ちょっと注意したいのは、80年代は土曜日の授業がありました。今は完全5日制です。来春からの主要5教科の授業増は、選択教科の廃止や総合教科の授業時間数減によっておこなわれるのですが、それでも6時間授業が増え、一日の中に主要5教科の時間数が増え、と先生とこどもたちへの負担は増加することは間違いありません。

そんなことも中学生のこどもさんをお持ちのお母様は知っておいた方がよいでしょう。

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