「学力向上進学重点校」に県立横浜翠嵐高校と湘南高校の2校を先行して指定
進学重点校には17校(横浜翠嵐、川和、多摩、希望ヶ丘、横浜平沼、光陵、柏陽、横浜緑ヶ丘、横須賀、鎌倉、湘南、茅ヶ崎北陵、平塚江南、小田原、厚木、大和、相模原)がエントリーしていて、10校程度を指定するとしていましたが、7月のはじめ(https://plaza.rakuten.co.jp/miyajuku/diary/201707060000/)に県の高校教育課の課長さんがおっしゃっていたように2校の指定にとどまったようです。
進学重点校の選定の指標には、(1)東京大、京都大、国公立大医学部など難関国公立大への現役合格者10名以上(2)北海道大、東北大、東京工業大、九州大、慶応大、早稲田大などスーパーグローバル大学トップ型に現役進学者の25%以上といった指標をかかげています。
ただし、今までの進学重点校については、たった数万円の予算が配分されるだけで、その他はなんのメリットもない「看板だけの指定」でした。今回は、授業力や進路指導に優れた教員を優先的に配置する、ということを県教委の方では言っているようです。確かに今までとはちょっと違いますが、まだまだ「看板だけ」の域をこえられていないように思えます。
ただ、確実に「潮目」が変わってきたようです。そっちの方を皆さんにはわかっておいて欲しいです。
10年ほど前まで、県立高校は「金太郎飴」のような学校を作ることがメインでした。湘南高校に行こうが、他のどんな高校に行こうが、基本的に受けられる教育は同じ、といった流れです。それが、数年前から変わりはじめ、ここにきてその流れは確実になってきている、ということです。つまり、どこの学校に行くかによって、受けられる教育内容が違うのは当然だ、という流れです。競争を是認する流れです。
そんなの当たり前じゃないか、という声が聞こえてきそうですが、その当たり前が当たり前でなかった時間がずっと続いていた、ということです。
正直、県内の進学重点校は2校で良いと思います。競争がグローバルになっている今、神奈川県の限られた予算と人材を集中させることが大事なのかな、ということです。横浜サイエンスフロンティアなど、とんでもない資金と人材を1校に集中しています。それに対しておおきな批判はおきていません。そのへんも時代の雰囲気の変化なのでしょう。
全体を引き上げる、というよりも、トップ層をより引き上げる、という流れ。それが神奈川県の公立高校にも静かに、しかも確実に流れはじめている、ということ。それを受験者側とその保護者の方は知るべきです。