志願変更するかどうか、その判断は1次選考と2次選考を考慮すべき
県教委から最終的な各高校の志願倍率が発表になっている。このあと、来週の月曜〜水曜で志願変更がおこなわれて、6日の夕方には受験倍率が確定する。さて、倍率が高い=合格が難しい、という考えは正しいのかどうかについて書いておく。志願変更をするかどうか迷っている場合はぜひとも読んでおいて欲しい。
神奈川県の高校入試は「内申+入試+面接」で合否が決まる。一部のトップ校はこれに「特色」が加わる。ただし、中堅、上位の高校では「面接」では差がつかないところが多いので、合否は「内申+入試+特色」で決まるといっていい。ここで忘れてはいけないのが「1次選考」と「2次選考」があることだ。
1次選考というのは「内申+入試+特色」で決める選考。2次選考というのは各校ごとに基準があるが、ほとんどの中堅、上位校では「入試+面接」としている。何度も言うが「面接」は得点差がないので、2次選考は当日の入試得点だけで決まる、といっていい。
たとえば、定員が320人の高校であれば、上から9割のところ、288人までが「内申+入試+特色」で合否が決まる1次選考で、残りの1割の32名の部分が第2次選考となる。当然のことだが、合否のボーダーの部分はこの2次選考の部分になる。
実は、倍率が高くても、低くても、1次選考のボーダーはそれほど大きくは動かない。昨年の大和高校の場合を考えてみる。
A 内申 126 入試 364点 合格
B 内申 126 入試 360点 不合格
C 内申 118 入試 370点 不合格
D 内申 101 入試 385点 合格
E 内申 95 入試 396点 合格
入試の得点は面接点も含めて開示されている。学習塾には、各模試会社かがまとめた各高校ごとの成績一覧のデータがある。miyajukuにも三社の模試会社のデータがある。だからこそ、中学校よりも学習塾の方がはっきりとした進路指導ができる。
上のデータは昨春の大和高校のボーダーあたりの生徒の代表的なものを取り出したもの。AとBをくらべてわかるように、昨春の大和高校の1次選考の合否ラインがこの2人の受験生の間にあることがはっきりする。同時に、C,D,Eをみると2次ラインでの合格ボーダーがわかる。
先にもいったように、倍率が高くなっても、この1次選考のボーダーラインはそれほど動かない。大和高校であれば、内申が125をこえていれば、370点前後の得点で1次選考の合格ラインに入る。それを下回ると2次ラインになってしまい、2次ラインは385点あたりが合格ボーダーと一気に高くなる。倍率が高いと、この385点がもっと高止まりする、ということだ。
志願変更するかどうか。冷静に、客観的に考えると、自分の持ち内申点が受験者全体のどの位置にあるのか、そして1次選考ラインを越えるには入試で何点とる必要があるのか、ということだ。その得点をとれるだけの実力があるかどうかの判断は、直近の模試の結果などをもとに塾の先生に判断をあおげば良い。
何度もいうが、倍率が高くても、1次選考のボーダーラインは大きく動かない。動くのは2次ライン。内申が十分な生徒はとにかく1次ラインで合格できるようにすること。内申がない生徒は、志望校の倍率が高い場合は、2次選考のボーダーが上がるので志願変更も考えよう。