神奈川県の高校入試の正答率別配点分布表からわかること

今日の午前中は「全県模試伸学工房」の県入試セミナーに行ってきました。全県模試という県内最大級の模擬試験を運営している模試会社です。ここのセミナーはとにかくデータの量とその分析がすごいです。7月7日の保護者会でも今日のセミナーの内容をふまえたお話をしたいと思っています。

学力検査の正答率別の配点分布

さて、そんな中、今日の注目はつぎの資料です。「学力検査の正答率別の配点分布」と表題がついています。ふつうの方はなんのグラフ化まったくわからない、というものですね。でも、神奈川県の公立高校を受験する生徒にとっては「戦略上」とても重要なことを教えてくれるグラフです。

暖色系の赤い色は正答率が高かった問題の配点です。逆に寒色系の青い色は正答率が低かった問題の配点です。

数学の正答率に注目

数学を見てみましょう。正答率が71%以上の出題が47%もありますね。逆に正答率が10%以下の出題が34%もあります。これがどういうことを意味するかです。今春入試の数学は、比較的に数学が不得意な生徒も50点ぐらいはとれたということです。では易しかったかというと、数学が得意な生徒でも70点前後の得点がやっとだった、ともいえるのです。どうしてって、正答率が10%を切る出題が全体の1/3もあるのですから。

数学以外の教科で紫色の部分がはっきりとでている教科はないですよね。国語などは、正答率が30%以下の出題まで広げても18%にしかなりません。つまり、[su_highlight background=”#fde2c7″]上位校を受験する生徒は、国語はほぼ満点近い得点をとれる問題だった[/su_highlight]ということになります。平均点が最も低かった社会は、正答率が40%以下の出題となる青色の寒色系の部分が半分ぐらいとなっています。やはり難しかったということがわかります。

数学が得意な生徒でも高得点はとりにくい

つまり、暖色系の部分が大きい教科はその教科が不得手な生徒でもある程度の得点がとりやすく、寒色系の部分が大きい教科は上位層でも高得点はとりにくい教科だということです。数学は特徴的で、[su_highlight background=”#fde2c7″]数学が不得手な生徒でも得点はとりやすいが、数学が得意な生徒は高得点が最も取りにくい教科だ[/su_highlight]ということです。国語は得点がとりやすいですが、やはり暖色系の部分が長いですよね。

県高校入試に対して「戦略」を持とう

[su_highlight background=”#fde2c7″]入試は500点満点で実施されます。しかも、合計の得点だけで合否が判定されます。教科ごとにこれだけ出題の傾向に差があるのですから、それをしっかりと分かった上で勉強の戦略を立てるべき[/su_highlight]です。たとえば合計得点が300点前後、つまり大和西高校や湘南台高校などの中堅校を目指している生徒がいたとします。300点÷5は60点です。それではどの教科も60点をとる戦略で良いのか、ということです。このグラフからいえることは、数学は比較的に60点前後がとりやすい教科で、逆に社会はとりにくい教科だということ。暖色の部分が短い教科は60点前後はなかなかとりづらいのです。

自分がどの教科が得意か不得意かもありますが、こうした入試の出題の傾向から、自分が得点すべき合計点に向けて、どの教科で何点を取っていけば良いのかといった戦略をしっかりと立てましょう、ということです。そうした戦略なしに、やみくもに勉強していくことは「労多くして益少なし」となりかねない、ということです。高校入試はある意味では短期決戦です。11月半ばの期末試験までは学校の学習進度にどうしても引きずられます。入試のための学習はそこからになります。だからこそ「戦略」が必要だということです。

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