全県1学区

公立高校が凋落した理由は「学区の細分化」というのが最も大きいだろう。県内を細かい学区に分け、その学区以外の高校に通えないようにしたわけだ。

この表を見て欲しい。1980年ぐらいまでは湘南高校も東大合格者が50人前後で推移しているが、それ以降はランクから消えている。変わって、中・高一貫の私立高校がランク内にどっと増えている。日比谷高校などの都立高校も同じことだ。

この“風”が変わってきている。神奈川県も現在の高2から「全県1学区制」に戻している。県内のどの高校でも受験可能なシステムになった。このことで、湘南高校の新高1は2/3が旧学区外からの通学者になっている。また、女子の生徒数が減りつつある。女子は、独自入試、全県1学区制で、危険をおかしてまで上位校をねらおうとしなくなってきているからだ。

下の地図は、現在の湘南高校への通学者の分布だ。すでに広く全県から通学者がいることがわかる。こうした状況は今後とも加速度的に進んでいくだろう。つまり、進学重点校を中心に、全県の比較的に広い範囲から優秀な生徒を集める県立高校が出てくるということだ。そして、それらの高校は、数年で結果を出していくだろう。結果が出れば、さらに優秀な生徒を集めていく。そんな状況が続くように思われる。

県立高校は、数年で復権をとげていくことになる。それは、優秀な生徒を集めた数校が突出した成果を上げる、という形での復権になる。

世の中は二極化が進んでいる、と言われる。県立高校もこの数年で二極化が圧倒的な勢いで進むと考えられる。そのことを頭に置いて高校進学を考えるべきだ。

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