高校の英語は英語で授業をすることに

文科省が発表した新しい指導要領によると、高校の英語の授業をすべて英語でおこなうことを基本とする、と明記されたとのこと。正直、何を意図しているのかよくわからない。

今の高校英語は「文法」を教えない。今までの英文法の時間はオーラルコミュニケーションという時間に代わってしまった。といっても、英会話や英作文を意思伝達の道具として活用する授業がおこなわれているわけでもない。生徒たちは、大学入試には関係ないとばかりに睡眠をとる時間にしている。もちろん進学校では、市販の文法書を使ってオーラルの時間に文法の授業をおこなっている。

そもそも仮定法の文が出てきたとき、それをどうやって英語で教えるのだろう。それだけの技量をもった高校の英語の先生がどれだけいるのだろうか。また、それを聞いた生徒たちが理解できる授業になるのだろうか。センター試験の問題にしても、あの長文を「慣れ」だけで読み取ることが出来るわけがない。ましてや、難関私大の入試問題が変わることもないはずだ。

「英文法ぬき」の長文読解の授業がおこなわれていて、生徒たちのフラストレーションはたまる一方なのに、その授業を英語でおこなうことの意味がまったくわからない。私は英語については全くの門外漢だが、中学の授業でも体系的に文法を教えないことでの弊害は大きいと考える。

どこかの府知事が「文科省はばかばかりだ」と言ったと問題になっていたが、このお役人たちは現場を見てこんな指導要領を書いているのか、と疑問になる。こんなことをしていると、また、塾や予備校に行かないとダメだ、となるはずだ。ビジネスチャンスだ、なんてバカなことを言っている場合ではない。

使える英語って、何なんだろう。しっかりとそこから議論すべきではないだろうか。

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