息子のこと
最近の大学ではキャリア教育がさかんにおこなわれているようだ。何だか、大学が就職のためだけに存在してしまっているようで嫌ですね。若者たちには、大学では「自分の勉強したいことを思いっきり勉強して欲しい」と思います。大学は就職予備校じゃないんですから。
大学2年になる息子が時間割を組むのに苦労している。教職と博物館学芸員と養殖マネジメントコースのやり繰りがつかないという。「良いんじゃない。何も資格取得にこだわらなくて。自分のやりたい科目を履修したら。」と言っておいた。「鯨類資源論」「水産遺伝子工学」「藻類機能生態学」「魚群行動学」などおもしろそうな講義を履修している。「漁業科学実験」では、館山で旋網操業の実習を行うそうだ。「外部の人間が聴講できないものかな。鯨類資源学なんて是非とも受けてみたい授業じゃない。」と言ったら「ダメでしょう。」と却下された。
「読売ウィークリー」という週刊誌で、有明海で魚が全く取れなくなっているという記事を読んだ。ノリの養殖に使う「酸処理剤」という薬品が原因なのではないか、と書かれていたが、因果関係は証明されていないとのこと。奇形の魚の写真も掲載されていた。あらゆるところで自然はつながつている。有明海のように比較的に閉じた環境では、ちょっとした環境の変化が生態系への大きな影響力を持つのかもしれない。
どうしてそんなことに興味を持つようになったのかわからないが、息子は養殖魚のための薬品が環境を悪化させていくのを防ぎたい、という理由で今の学校を選んでいる。食の安全や環境がやかましく言われている時代。一所懸命に勉強してもらいたい。その先に仕事はいくらでもついてくるでしょ。
話しがとんでしまったが、とにかく高校生は「やりたい学問をやる」ために大学には進んで欲しいな。仕事に結びつくかどうかは、大学で勉強しているうちに自然と見えてくるものだと思う。