“ゆとり教育”世代

1992年に導入された新学力観に基づく学習指導要領。この時小6だった世代は27歳になっている。また、今の22歳は、小学校入学時からこの新学力観にひたった指導を受けてきた世代だ。こうした“ゆとり世代”が社会にどんどん出てくる時が来ている。そうした意味で、これからが“ゆとり教育”が社会問題化していくことになる。

前の記事で書いた「週刊ダイヤモンド」では、“ゆとり世代”の三つの特徴として、1.問題を社会や人のせいにしがち 2.物事はうまくいって当たり前と考える 3.このダメな状況を一気に解決する夢のような方法がどこかにあると考える の三点をあげている。

確かに、「自分にとって価値のある仕事をしたい。それが今の世の中にないのならば自ら起業したい。」という若者が増えているのは良い傾向かもしれない。が、「起業したい分野についての知識を十分にもちながら、それを現実につなげていくためのステップを踏む力がない。また、自己中心的で、他者との関係の仲での自分を想像する力に欠ける。他者とのリスペクトが薄い。」といった傾向は負の面として大人がうまく吸収していかねばならないのだろう。

個性を尊重するのは大切なことだ。が、やりたいことをやればよい、と言った面が強調されすぎてはいないだろうか。“個”と“社会”をどう結びつけるか、といった問題は若者の永遠のテーマでもあるはずだ。そこで“個”を強調するあまりに、“社会”との折り合いがつけられないのならば元も子もなくなってしまう。

「うまくのいかないという現実からはい上がってくるしたたかさもなく、一気に折れてしまいがち。リセットボタンを押して逃げてしまう。」といった若者たちが多くなっているのは確かだと思う。

“ゆとり教育”といった問題からしばらくは離れられないのが教育問題の現実だろう。

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