公募推薦
さて、高3の○○が「成績が上がったので第一志望の公募推薦に応募できそうなんだけどどうしようか」と相談してきた。とにかく今の大学入試の仕組みは複雑だ。しかも、オモテとウラがあるので、開示されている情報をどう読み解くのか、なかなか難しい面がある。
公募推薦、というのは、大学が示した基準をこえる学校成績を持っていれば誰でも応募できる。一般的に11月の末に小論文と面接があり、その結果によって合否が決まる。ただし、小論文といっても、英語や数学の試験をおこなう大学もある。募集人数も少なく、5人~10人ほどの募集をする大学が多い。この点では国公立も私立も同じことだ。ちなみに家の息子はこの制度で今の国立大に進んだ。
第一志望ならばとりあえず受けてみる、という考えも出来る。が、11月の末というのが時期的に難しい。1月のセンター、2月の本試験に向けていよいよエンジンを全開にしていく時期と重なるからだ。その時期に、公募推薦のためにあれこれとパワーを使うことが吉と出るかどうか、慎重に判断しなければならない。
○○の志望する学科は昨年52人の志願者で10人の合格者、5.2倍の倍率だ。偏差値も高い学校なので、志願してくる生徒のレベルも高いと考えて良い。ただ、小論文が800字の課題作文で、テスト形式のものではなかった。学校の評定が高いものが勝つ可能性も高い。同時に、付属の高校からの生徒を優遇する可能性もある。反面、この時期には、この大学以上を目指している生徒は応募してこないので、チャンスと言えなくもない。
いずれにしても、じっくりと考えて結論を出そう、そんな話をした。同時に、本人には言わなかったが、ここのところの○○の「伸び」はすごいと思っている。目の輝きも集中力も、ちょっと前とは比べものにならない。本人は気づいていないが、私はそう思っている。今後、グンと実力を伸ばすはずだ。だから、2月の一般試験で勝負、と腹をくくっても良いんじゃないか、とも思う。
受験って、あれこれ考えることが大切なんだ。そして、考えている中で自分が分かってくるものなんだ。悩もう。悩んだ分だけ、自分が見えてくる。