大学の実力

「大学の実力」という特集を読売新聞が数日前からおこなっている。とても興味深い。

たとえば、今春の大学入試では筆記試験で大学に入学した生徒は、私立大学で44%、国公立大学で81%だったということだ。私立大学の一般入試以外の入学者は、指定校推薦16%、公募制推薦10%、書類審査や面接などで選考する「AO(アドミッション・オフィス)」8%、付属・系列校推薦5%など。

読売新聞が調査した私立大学351校の内、3割強の大学が一般試験での入学者が30%以下で、なんと1%しかいない大学もあったとのこと。学力検査を経ないで大学に進学した生徒が99%の大学ってショック

私は多様な入試制度を否定しているのではない。問題なのは、生徒集めに必死な一部の私立大学が、そうした筆記試験以外の入学制度を濫用していることだ。

本を一冊読ませ、400字程度の作文を書かせるだけの「AO(アドミッション・オフィス)」。毎週のように試験が設定され、数分の面接だけで終わる公募推薦入試。書き出したら切りもない。誰でも入学させているのだが、その隠れ蓑に多様な制度を使っている。

入試制度の多様化は、入学者のためというよりも、学生の獲得競争を背景に生徒募集に悪戦苦闘する大学側のためにあるようなものだ。そして、入学者の学力にばらつきが出てくる。調査では、ほとんどの学長が「基礎学力の向上」に力を入れるとコメント。新入生の学力を問う到達度試験や、習熟度別のクラス分けを実施している大学は、国公私立全体で80%を超えている。

電車の中には「夏のオープンスクール」の広告が満載だ。広告を見る限りは、どこの大学も「すばらしい教育」をおこなっているようにしか見えない。だが、そこに集う生徒が大学を作っていくことを忘れてはいけない。99%が学力試験を受けないで進学してくる大学で、学生が積極的に学問や学生生活に励むはずがない。

正しい情報を得ることが本当に難しい時代だと思う。