遺伝子操作(是非見てもらいたい番組)

中・高生に見てもらいたい数少ないテレビ番組の中に「爆笑問題のニッポンの教養」という番組がある。爆笑問題の二人が、自然科学や社会科学の最先端の研究者を訪ねてトークをする番組です。昨日は、東京農大の河野友宏教授を訪ねての「命の取り扱い説明書」というものでした。5/24に再放送がありますから、見逃した方は是非とも見て欲しいです。

河野教授は「発生生物学」の先生で、メスのマウス同士から「KAGUYA」というマウスを誕生させてしまった方です。ちょうど中3が理科の授業でやっているところですが、生物の発生にはオスとメスの関わりが必要とされています。それをこの先生はメス同士で子供を出産させてしまったわけです。海外のレズビアンカップルから「私たちの子供を作って欲しい」と問い合わせがあった、というほど世界中に衝撃を与えたニュースだったようです。

遺伝子操作、という技術は私たちの身近なモノになりつつあるようです。納豆や牛肉、身の回りの多くの食材が遺伝子操作なくしては存在していないのが実際です。大学のゲノム研究室(ゲノムとは生物の遺伝子情報のこと)に所属している息子の話によると、遺伝子操作をしたサケの輸入が認められ、もうすぐそうしたサケが市場に出回るのだそうだ。このサケは、ゲノムを解析し、通常のサケの2倍のスピードで成長する「種」に作り替えられたモノだという。

水産物の世界では、こうした遺伝子組み換えが実用段階になっていて、息子も「ヒラメがかかるある病気あり、その病気にかからないヒラメを遺伝子操作で作り出す」というテーマで卒論の研究をしているという。学部4年生がそうしたテーマで研究が出来るほど遺伝子操作の技術は進んでいると言うことだろう。

アメリカの大豆の8割、トウモロコシの4割はすでに遺伝子組み換えで「自然にはない性質」の作物になっているという。日本はこうした作物の多くをアメリカから輸入しているし、牛肉や豚肉の多くは、こうした穀物を飼料として育ったものになっているのだろう。知らないうちに私たちは遺伝子組み換え食品を毎日のように口にしているわけだ。

遺伝子組み換えの実験で良くおこなわれるのが、あの「オラワンクラゲ」の緑色蛍光タンパク質(GFP)を作る遺伝子を組み込むものだ。明治大の農学部で「光るブタ」を見たことがある。すでに「光るサル」は昨年作られているようで、息子が言うにはゼブラフィッシュという実験によく使われる魚は、すでに観賞用に「光る魚」ということで売り出されているとのことだ。

こうした「自然界に存在しない」魚が川や湖や海に逃げ出したらどうなるのだろうか。先ほどのサケにしても、成長ホルモンをいじられたモノが海に逃げ出して、自然界のサケと交尾したときにはどんなことが起こるのだろうか。想像することも出来ないし、法整備がついていっているとも思えない。

とんでもない時代になったモノだ。

是非とも5/24の再放送を家族で見ていただき、現代のとんでもない一面について知り、家族の中でいろいろと話し合ったもらいたいと思います。自分たちが生きている時代を知ること。それを家族で共有すること。とても良い時間が持てると思うのですが。

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