お母様方に

学習塾の教師としてというよりも、一人の親としてこれを読んでくださっているお母様方にアドバイスしたいことがあります。

今の時代は、学習面について『自己責任』がキーワードになっています。昔のように単線型の社会から複線型の社会になり、モデルケースというものもなくなっています。

昔は学校というものがひとつの価値基準になっていました。成績も相対評価でしたから、5段階の5という成績は、おおよそ同学年の中で上位2割の中に入っている、などと判断が出来ました。また、学校の授業についていくことが、その内容をしっかりと理解することが、ひとつの目標になっていました。

しかし、今は全く違ってきています。学校の成績は絶対的な評価でしかありません。全体の半分に5をつける先生もいます。授業の内容も最低限のものになっています。今の小・中学校の授業内容についていくことはさして大変でもありませんし、ついていけないようならばそれこそ大変な状況だということです。

さらに、学校と社会の温度差がとても大きくなってしまっています。学校はどんどん「甘く」なり、社会はどんどん「辛く」なっています。この乖離に早く気づかないと、大学は出たのだけれど就職ができない、という状況におちいってしまいます。

高校や大学に進学することはいとも簡単です。首都圏の大学の3校に2校は定員割れをしています。お金さえ払ってくれれば学力なんか問わないのが実際です。大卒の就職率が6割を切った、などとマスコミは騒ぎますが、それは景気の問題ではなく、企業としては採りたくない学力の大学生が増えているということなのです。

そうした現実の厳しさを子供たちは知りません。もちろん学校では教えてくれません。世の中は正直に生きてさえいれば何とかなる、といった理想論に終始します(私は学校はそれで良いとは思いますが)。では、いったい誰がそうした厳しさを子供たちに教えてくれるのでしょうか。

それはお母さんしかいないのです。

学習は『自己責任』というのはそういうことです。誰かが道を示してくれることもありません。自分の立ち位置を示してくれることもありません。学力さえも評価してくれません。すべては『自己責任』なのです。お母さんが示してあげるしかないのです。

子供は何も知りません。子供にとっての世界は学校そのものです。そうじゃないんだよ、と教えてあげられる存在はお母さんしかいないのです。お母さんが導く以外にだれも導いてはくれません。

お母さん。ちょっと批判的に学校という世界をながめてみましょう。学校と社会の乖離に目を向けてみましょう。塾の教師と言うよりも、一人の親としての意見でした。