志願者倍率の一覧

私立高校への出願の中3生の姿が電車にみかけられた。新聞にも私立高校の志願者倍率の一覧表が掲載されている。でも、この一覧表ほど意味のないモノは他にないだろう。例えば、募集人数が300人に対して、志願者数は900人になっていたりする。単純に考えると3倍の倍率。3人に2人は落ちる激戦になる。でも、実際は受験者全員が合格することが前もってわかっている。ヘンな仕組みになっているのだ。

私立高校の受験者の大半は公立高校の併願者。公立高校も倍率は1.△倍という入学試験。つまり、公立高校に落ちて私立に進学する生徒はそんなに多くの人数ではない。私立高校側は、募集定員に対して、その数倍の合格者を出すわけだ。しかも、その合否は昨年の12月中に決まってしまっている。調整はすでにすんでいるし、合否もとっくに決まってしまっている。この新聞の志願者倍率の一覧表ほどムダなモノはないということだ。

それでも、とりあえず私立高校の合格通知をもらうことは、生徒たちにとっての安心感につながる。私立の推薦や公立の前期選抜に合格した生徒たちがたんさんいて、自分だけ取り残されていく思いは誰しも持っている。私立の合格通知をもらえば、自分も高校生になれるんだ、という安心感が持てる。そういう意味では「大切なお守り」になる。

さて、今日の21時過ぎには公立高校の後期選抜入試の志願者倍率が発表になる。この倍率はとっても大きな意味を持っている。

昨日も中3のA子から相談を受けた。A子の学校成績だと、第一希望の○○高校に合格するには205点ほどの入試得点が必要だ。日曜の予想模試では195点~205点の間の得点になっている。本人も悩んでいる。1ランク落として△△高校にすれば、195点ほどの入試得点で合格が可能だ。私はこう言っている。○○高校も△△高校も違いはそんなにないかもしれない。でも△△高校に志願して、実際の入試で205点を得点できたとき、やっぱり○○高校にしておけば良かった、という後悔の気持ちを持ちそうなのならば○○高校を受験すべきではないか?

悩むことが何よりも大切だ。悩んで悩み抜いて、自ら進んでいく道を決めることだ。その道こそが自分にとっての最善の道になる。

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