学校の理念

今さらながらだが、学校選びの大切さについて考えている。

子供たちは1日の大半を学校で過ごす。当然ながら、子供たちはその学校という「場」で成長していく。良い土には良い植物が育つように、子供たちにとっても学校という「土」がどんな「土」なのかによって育ち方に違いが出てきてしまう。

自分自身を振り返っても、学校という存在は大きかった。もしもあの高校に通っていなかったら、あの大学に通っていなかったら、きっと今の自分は全く違う自分だったろうなぁ、と思う。

学校の違いはどこからうまれるか。ひとつは、いつもいっていることだが、そこに集う「人間」が違いを作り出す。学校説明会などでたくさんの学校にうかがうが、やはり「すごいオーラ」の出ている学校は、一瞬にして見分けが出来てしまう。生徒の「質」があきらかに違うのがわかる。

もうひとつ、大事なことに気がついた。理念だ。その学校の理念が、学校の違いを作り出している。これもいわれなくても当たり前のことかもしれない。

私立の学校は理念がすべてみたいなところがある。宗教的な理念に拠る学校。創始者の理念に拠る学校。企業理念に拠る学校。とにかく、柱となる理念があり、それに基づく教育がなされている。

それでは、公立高校で理念を持っているところってどのぐらいあるんだろう、って考えた。基本的にはないはずだ。そもそも公立高校って言うのは、「みんな」に開かれた学校であるべきなので、特定の理念でつくられた個別の高校があってはおかしい。あくまでも「公」の学校なのだから。

それでも、多様化する世の中の要求を入れて、神奈川県もたくさんの種類の学校をつくった。単位制の総合やら、いろんなコース制やら。でも、その多くは成功しているとは思えない。形は整えても、理念がないのだ。やっぱり、公立高校に理念はそぐわないのだろうか。

でも、私立学校に負けない理念を持っている公立高校もいくつかある。歴史と伝統がそうした理念を作り出し、不文律の憲法のようなものになっている学校だ。伝統校はすべてそんな理念を持っている。理念があるから、人が集ってくる。

理念のある学校。理念が大切にされている学校。教職員も、生徒も、学校の理念を尊重している学校。そんな学校であれば、良い「土」の上で種まきがされているのだと思う。

学校選択をする際、学校見学をする際、そうした見方から学校をながめてみてはどうでしょうか。