走れマイワラ ジザヴィエ=ローランプティ作
「走れマイワラ ジザヴィエ=ローランプティ作 浜江貴絵訳」
夏の読書感想文小学校高学年の課題図書です。帯に書かれているあらすじです。
ひたすら走る母を心配しながら、たびたび心臓発作におそわれる娘シサンダ。不思議な力をもつ祖母、変わり者のおじさん。そんな家族を見守る学校や村の人たち。人と人のきずながあたたかい感動の物語。フランスで異国をテーマにした優秀作品に贈られる「アメリゴ・ヴェスプッチ賞」受賞作を翻訳。
まず、翻訳とは思えないほど日本語が自然です。原作が良いのか、訳者の腕が良いのかはわかりませんが、思わず引きこまれてしまう作品世界をしっかりとした日本語で描いています。それだけでもお薦めの本です。
登場人物は誰をとっても個性的です。しかも「笑い」がその底に流れています。大変な状況の中でも一人一人が「どうにかなるさ」といったおおらかさの中に、しっかりと前を向いている真剣さがうかがえます。そしてとってもあたたかい人と人とのつながり。
いろんな意味で「気持ちの良い」読後感が味わえるかと思います。一気に読めてしまう作品ですが、ひとつひとつの場面や会話をじっくりと味わいながら読んでみたいです。2度読んでも良いかもしれません。1度目は一気に、2度目はじっくりと。
感想文を書くにあたっては、「心の森」とはちがって、ストーリーを感想の中心にすえると良いでしょう。また、シサンダでもマスワラでも、その心の動きに焦点をあてて書いても良いでしょう。エピソードを選び出しやすいので書きやすいかと思います。