問題を読まない習慣づけ
新学期になって入ってきた小5生たち。指導をはじめて「やっぱり今年もか」ということがある。問題を読まないのだ。たとえば「一辺が80cmの立方体の体積は何㎥ですか」といった問題。間違いなく80×80×80と式をたてる。問題を読み、何を問われているのか、ということを考える習慣が全くない。
同じことはほとんどの小学生にいえることで、小6生たちも少しずつ良くはなってきているが、まだまだダメだ。先日もある小6生のお母様から電話をいただいて、「問題を読もうとしないんです。どうしたら良いでしょうか」と相談を受けた。とにかくそこにある数字をかけたり、割ったり、足したりするだけで、なぜかけ算なのか、割り算なのかなど一切おかまいなしだ。
何が原因なのだろうか。思うに、問題を読まなくても出来てしまう問題ばかりをやってきているので、「算数の問題文は読む必要がない」と学習してしまい、それが頭にすり込まれている、としか考えられないのだ。恐ろしい習慣だ。確かに、分数のかけ算の学習のところで出題される文章題は、問題文に何が書いてあろうが、そこにあるふたつの数字をかければ答えが出てくる。ちなみに、生徒たちは単位をつけて式を書くこともゼッタイにしない。
この習慣を引きずったまま中学生になるので、多くの中学生も問題文を読む習慣はない。確かに、学校の定期試験は、それぞれの単元ごとの学習目標の達成度をはかるような問題なので、問題文をしっかりと読まねばならないような出題は少ない。しかし、高校入試の問題が変わった。何を聞いているのか、といった出題者の意図を読み取らねばならない出題が増えた。多くの生徒たちにとっては危機的なことだ。何しろ「習慣づけられた刷り込み」を払拭するには時間と労力がかかる。
先日、お電話をいただいたお母様。とにかく「問題文を読まない習慣づけ」をふっしょまする為にmiyajukuは地道な努力を続けています。ただ、そう簡単にはいきません。とにかく働きかけ続けるしかありません。