理科実験教室「えっ、植物から紙をつくれるの」
大学の最新設備を備えた実験室で、1グループごとに数名の大学生が補助についていただき、理科実験をするなどとといった機会はそうあるものではありません。こうした機会に積極的に参加して欲しいです。あの空気を吸っただけでも、何かのきっかけで「未来」につながる「種」を手にしたことになるのではないでしょうか。
部活動も大切かもしれません。でも、これからの時代は、様々な経験をした人材が求められます。どんなことから、子どもの興味・関心が広がっていくかわかりません。ぜひとも、こどもさんには、いろいろなきっかけを与えて欲しいです。もちろん、miyajukuも、そうしたきっかけ作りをこれからも続けていきます。
さて、実験は、小学生中心のグループが「えっ、植物から紙をつくれるの」でした。生命化学科の野口章先生と伊藤紘子先生に指導いただきました。野口先生は話術も巧みで、とっても愉快な進行でした。
みんな、日大さんの方で用意していただいた白衣と、目を保護するゴーグルをします。実験の流れは以下のようです。
1 植物体を水酸化ナトリウムで煮る。
2 水酸化ナトリウムを洗い流す。
3 ミキサーで細かくする。
4 ふなみずをつくる。
5 紙すきをする。
6 乾燥させる。
稲わらとススキのどちらか、またはそれをミックスしたものをグループごとに選び、細かく切って大きなビーカーにつけます。ビーカーには、1.5Lの1%水酸化ナトリウムが入っています。それをゆっくりと煮詰めていきます。植物の繊維以外のよけいなものを抽出します。
煮詰めたビーカーから植物体を取り出し、流水できれいに洗います。もちろん、水酸化ナトリウム溶液は捨てることはできません。別の容器に移します。きれいに洗ったらミキサーにかけ、細かく砕きます。ふなみずをつくって紙すきです。
すいたものを水切りをして布巾の上にのせ、ペーパーで水を吸い取り、アイロンでさらに乾燥させます。
そして、手作りの紙の完成です。
2時間半近くの時間、こどもたちも大学生のお兄さん、お姉さんたちの指導の下、しっかりと実験を進めていきました。何よりも、自分たちでつくった紙を持ち帰ることができ、帰宅後もいろいろと話に花が咲いたことでしょう。紙は82円の切手を貼れば郵便として出すこともできるようです。大切な人への頼りに使っても良いでしょう。
野口先生はじめとしてスタッフの皆さま。今日は貴重な体験をさせていただき本当にありがとうございました。このちびっ子たちの中から、将来、生命化学を専攻する学生が出てくることを願っています。
もうひとつの中学生のグルーブについては、別の稿でまとめます。