中学生の学力診断テストの帳票について

夏の講習の最終日に実施した「学力診断テスト」の中学生の帳票のみかたについてです。小学生と同じように、今回の試験は当該学年の1学期範囲までの復習が出題範囲でした。平均点は各教科によってばらつきがありますが、40点~60点になっています。受験者は1500人前後。実施した目的の第一は、現段階での相対的な評価をしっかりとわかることにあります。

相対的な評価は、偏差値をみるのが最もはやいです。教科ごとのばらつきがあるので得点ではだめです。偏差値は、SS50で集団の真ん中の位置、それ以上の数字が出ていれば集団の上位、それ以下の数字では集団の下位に属している、ということです。おおむね、SS55をこえていれば全体の上位1/4の中にいて、SS60をこえていれば全体の上位10数パーセントの中に属している、といえます。評定5ということです。逆にSS40を切ってしまっていると、かなり学力的に厳しい状況にあると危機感を持つべきです。評定2に相当します。

学校の評価は保護者の方が中学生だった時と違い、現在では「絶対評価」になっています。中間試験や期末試験の得点だけでなく、提出物や授業にのぞむ姿勢、その他の様々な要素によって成績がつけられています。5が何人で、4が何人でなどといったきまりも基本的にはありません。とはいっても、高校入試の資料に使われるので、県教委はそれぞれの評定に対して何パーセントずつがのぞましい、などとはいっていますが、その通りにはなっていないのが実際です。とても「あいまい」になっているということです。

それに対して、今回のテストの結果は、数字だけで評価がされている「相対評価」そのものになっています。こうした評価に、今の子どもも保護者も慣れていないので、どうしても「えっ」といった驚きをもってこの帳票を見ることになってしまうと思います。しかし、すべての学習の基本は、現状の把握からはじまります。まずは、現段階での自分の位置を知り、そこから目標を設定することです。

中2生と中3生の帳票には、志望校の判定もついています。今回の判定は、学校成績を加味していないものです。単純に今回の偏差値と、それぞれの志望校の合格に必要な偏差値との差から合格可能性判定を出しています。とはいっても、当日の入試の重みが大きくなっている県立高校入試では、こうした偏差値のみでの判定の方が、学校成績を加えたものよりも現実の合否ラインに近いともいえます。合格可能性が80パーセント以上と出ている学校については、もう1ランク、あるいは2ランク上を目指しても大丈夫ということです。合格可能性が50パーセントあたりが実力相応校でしょう。たとえそれ以下の判定であっても、まだまだこれからです。発憤材料にしてください。

中3生は、10月末に実施する模擬試験から、神奈川県の公立高校入試の問題に準拠し、学校成績も加味した形での判定を出していきます。そこからが志望校を具体的に意識した模試になっていきます。中2生と中1生は、まずは今回のテスト結果から、現状の自分の相対的な位置をしっかりと認識し、そこからどうあげていくかを考えましよう。相対的な位置というのは、今までのあなた達の学習習慣の結果です。つまり、今までと同じことをやっていては、また同じ相対評価にしかならないということです。何かを「かえる」きっかけにしてください。

最後に、教科ごとの結果にもよく目を通しておきましょう。それぞれの問題の正答率がでています。正答率が70パーセント以上の問題を自分が間違えていたとすると、その原因をしっかりと確認しておくべきです。簡単なミスなのか、その単元を不得意としているのか、といった確認をすることがつぎへのステップになります。

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