2016年県入試問題分析 英語 その2

今年もリスニングの英作文以外に4問の英作文問題が出題されました。4点×4問で16点の配点です。入試問題が100点満点×5教科になり、内容が一新されてから4年。毎年のように英作文は出題されています。しかも、日本語→英語という英作文ではありません。

問5には2問。英文を読んでその中にある会話を埋める出題と、同じように英文を読んで、その問いかけに対する答えを作る問題です。両方とも、英文を読み取る、条件を考えて作文の内容を考える、それを英文にする、という3ステップの作業が必要になります。

問6は毎年のように漫画での出題です。下のような内容のもので、空欄の(ア)と(イ)にあてはまる英文を考えて作文します。こちらも問5と同じようなステップが必要ですが、よりしっかりと「どんな英文を作るか」を考える必要があります。

英語問6

この英作文も、解答を見てしまうと「なんだこの程度の英文を作る問題か。簡単だなぁ」と思うかも知れませんが、こどもたちにとってはそうではないのです。たとえば「わたしを車で駅まで連れて行ってください」という日本語が与えられていて英作文を作ることはできても、このイラストをみてそうした日本語を考え、英作文することはできない生徒が多いのです。とくに問6の正答率は低かったのではないでしょうか。

要は、今の子どもたちは、1ステップの問題はできても、複数ステップの問題ができない傾向が強いのです。理由は簡単です。普段から複数ステップの問題をやり慣れていないからです。学校の定期試験はほとんどが1ステップの問題です。というより、一問一答的な知識だけで答えられるようなものばかりです。

このように複数ステップを必要とする出題は、英語だけでなく他のすべての教科にも見てとれます。今年の社会が少し易しくなったのは、昨年の出題に比べて、こうした思考力を必要とする出題が減ったからです。どちらかというと知識だけで解答できるものが多かったのです。

このことを考えただけでも、学校の定期試験を目標とした学習がいかに危険かおわかりになるでしょう。普段から複数ステップの問題にぶつかり、考えるクセをつけていなければ、この神奈川県の公立高校入試の問題を解くことは不可能なのです。今のこどもたちは、本当に「考えるクセ」を育てていません。嫌になるほど「すぐに答えだけ」を求めます。途中の思考過程を記すことなど全くできません。というよりも、そうした訓練を受けていない、ということです。

入試問題は劇的にかわりました。2020年の高大接続改革を先取りしたものになっています。それをお父さん、お母さんはしっかりとわかっていただきたいです。