高校選択へのアドバイス 親にとって

高校選択でいろいろと悩んでいらっしゃるお父さん、お母さんも多いことと思います。わたしも、できるだけご相談に応じるようにしています。そんな中、ちょっとしたアドバイスです。

ある意味で、県立高校はどこに行っても、その教育課程や受けられる授業に違いはありません。もちろん、教科書が違っていたりしますが、教えている先生は基本的に県内の高校をぐるぐるまわっていますし、特定の高校に優秀な先生を集めている、なんてこともありません。違うのは、どんな生徒が集まるか、ということです。

子どもは周りの友だちとかかわることによって成長します。どんな友だちが周りにいるか、ということが子どもの成長を決定するといってもいいでしょう。公立の中学は、地域に住まう同年代のこどもたちが集まってきます。様々な生徒たちがいます。しかし、県立高校は、ある意味では偏差値で輪切りされたあるレンジの中にある生徒たちだけが集まるのです。そのレンジによって高校の様子が決まっていく、ということです。

湘南高校や翠嵐高校など、県内トップの高校では、学習面だけではなく、部活動も、学校の活動もとても盛んです。しかも、生徒たちが主体的に動いていて、それらの活動の中で、教師がかかわっている場面はほとんど見られません。いろんな意味で生徒どうしが切磋琢磨しているのです。そんな姿は、厚木高校や希望ヶ丘高校でも見られます。学校側が何をしているとか、どんな仕組みを作っている、ということもなく、あえていえば、伝統のチカラによって入学した生徒たちは、その高校の中で大きく成長できるのです。親がかかわる場面もこうした学校ではほとんどないはずです。ほっておけば子どもはしっかりと成長していきます。

中堅校でも頑張っている学校はたくさんあります。でも、どちらかというと、学校や先生がかかわってくる場面が増えていくようです。ですから、中堅校は、学校側がどんな姿勢でどんな学校をつくろうとしているか、といった部分をしっかりと知る必要があると思います。中堅校で、学校が積極的に“学校”をつくっていこうとしていないところもあります。そうした学校はあまり選択したくないですね。同時に、中堅校に子どもが進学した場合は、適宜、親が子どもの進路などの相談にのれるようにしたいです。100%、学校に任せることはなかなか難しいでしょう。

下位校になってしまうと、もう親が本当にしっかりしないとだめです。どちらかというと、切磋琢磨して伸びていく、というよりも、その逆に友だちに影響されて後ろ向きになっていくことさえあり得るからです。学校任せにしないで、親がいろいろな面でかかわっていくしかないと思います。そうした意味では、私立高校であれば、その部分の親の関わりを学校が代わってくれます。このレベルになると、私立高校の方が良いのでは、という場合も出てきます。いずれにしても、高校生になったわが子から一時も目を離さないようにしていく必要があるでしょう。

高校進学はスタートラインです。その3年先の選択はもっともっと重要で、複雑で、面倒で、大変なものです。同時に、そこでの選択は、高校選択とは比べものにならないぐらい「人生」そのものの選択につながります。親は、高校選択の先にある3年後の選択のことも考慮した上で、目の前の高校選択を考えるべきです。

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