個別指導ってなんなんだろう
たとえば「個別指導」という言葉。今は「個別指導」なら成績は伸びると「魔法のことば」として使われています。でも、よく考えてみると「個別指導」ってどんな指導なんでしょうか。少なくとも、保護者や生徒さんは「個別指導」という言葉にどんなイメージを持っているのでしょう。たとえば「完全個別指導」をうたう塾があります。「個別指導」に「完全」までついてしまうんですね。「完全」の逆は「不完全」ですから、「個別指導」には「完全」なものと「不完全」なものがあるんですか? もう何だかまったくわかりません。
多くの「個別指導」って、こんな感じではないでしょうか。あくまでわたしの私見ですよ(^_-)
先生1名に対して生徒数名が同時に指導をうける。教えている先生はほとんどすべてがアルバイトの大学生。時給は1,000円ほどでしょう。生徒たちは質問もせずにひたすらに問題を解いたり、単語の練習をしたりしている。アルバイトの先生は黙ってそれをみていて、たまに「できた?」と問いを発する。いわゆる「解説」みたいなことはほとんどおこなわれない。教えるというよりも自習しているといった様子です。もちろん継続的な指導ではなく、その日、その場に応じた指導になっています。そんな教室風景です。
どうも「個別」という言葉だけが1人歩きしてしまい、「個別」でなければ生徒一人一人にあった指導はできないかのようにいわれてしまっているようです。「個別」の反対は「集団」ですが、本当に「集団指導」は生徒個々に対応できないのでしょうか? 絶対にそんなことはありません。私は「個別指導」を否定しているのでは決してありません。「個別指導」にケンカを売っているわけでもありません。「個別指導」という言葉が何だかフワフワとひとり歩きし、それを逆手にとって「個別指導」で生徒集めをしている塾業界に「違うんじゃないのかな」と意見を言いたいということです。
保護者の皆さんも、「個別指導」という言葉に惹かれるのではなく、塾そのものの指導をしっかりとみてから塾選びをした方がよいですよ。