親の受験生への関わり方
受験生と親との関わりは難しいです。
いくつかアドバイスをさせてください。
1 自分の受験と比べないこと
とくに大学受験を目指す高校生をお持ちの保護者の方へのアドバイスです。自分はこうだったを語ることはは子どもからはもっとも「うざい」と思われます。十年前と比べても今の大学受験を取り巻く環境は大きく変わっています。ましてや保護者の方が受験したときとはまったく違っています。「お父さんはこうだった」の前にお子さんを取り巻く受験の状況を知ってあげましょう。
2 他の子と比べないこと
中学受験、高校受験、大学受験ともにぜったいやってはいけないことです。とくにお母さんです。お母さんの耳に入ってくる情報の多くは「○○クンが・・・」「△△ちゃんが・・・」といったものです。しかもそれが気になってしまいます。どうしてもそれをお子さんにぶつけてしまいがちです。子どもさんも同年代の他者は大いに気になっています。だから親から「○○さんの家の・・・」と言われるのは最も嫌います。
3 そんなことじゃ受からないわよ、は言わない
「そんなことじゃ受からないわよ」「もっと時間をかけて勉強しなさい」「またゲームをやって」「今回の模試の結果はなんなの」親はどうしても子どもの「負」の部分が気になってしまいます。そしてそれをつい口にしてしまいます。これもまったくの逆効果にしかなりません。「負」の言葉はできるだけさけましょう。
4 無関心はもっともダメ
子どもにとって親は「全面的に信頼出来る最後の砦」です。親がいるからこそ子は受験に一生懸命になれます。言葉には出しませんが「もしダメだったとしても受けとめてくれる親がいる」からこそ挑戦していけるのです。とにかく見まもってあげて下さい。「大丈夫よ。あなたならきっとできる。ダメだったとしてもわたしが受けとめてあげる」という姿勢をつらぬいて下さい。
受験というのを子育てのひとつととらえてみてはどうでしょうか。
お子さんが歩きはじめ、言葉を話し始めたとき。たぶん皆さんは新鮮な喜びとともにお子さんと一緒になって日々を過ごしてきたはずです。中学受験、高校受験、大学受験。どの段階でもそのハードルを乗り越えようとする「わが子」の姿があるはずです。わが子ですから「もどかしさ」も強く出てくるでしょう。そんなときこそぐっとこらえて「わが子のちょっとした成長」に目を向けてみて下さい。
受験は結果が大事です。でも、結果はすべてではありません。受験を通じて子どもたちがどれだけ成長できるか。わたしは学習塾という仕事をしながらいつもそれを考えています。何かに向かってそれを乗り越えようとするとき。人はもっとも大きく成長するものです。「わたしの子だ。大丈夫だ」の気持ちでお子さんといっしょに受験を楽しんでみましょう。