景況感
世の中、景気が悪いのだそうだ。そうだ、と書いたのは、年の初めに歩いた新宿の人の多さ、伊勢丹などのデパートの売り場の人だかり、などなどを見てきて「どこが景気悪いの?!」という感想を持ったからだ。
昨晩、バイトを終えて夜中に帰ってきた息子と話をした。彼は品川駅の新幹線口にあるスタバでバイトしている。この場所での景況感というのは、かなり日本全体の景況感を言い当てているはずだ。
『バイトがわかるか知れんが、売り上げは下がってるの?』
『かなり下がってるって社員さんが言ってるし、仕事しててもそれは感じる。』
『そうなんだ。』
『カップルとか個人のお客さんは減ってないけど、領収書を出すような会社がらみのお客さんが減ってるように思うな。』
『ふーん』
ということだった。妻が言うには、地元のターミナル駅の藤沢駅周辺のデパートは閑古鳥が鳴いているそうだ。福袋などもたくさん余っているとのこと。やっぱり景気は悪いようだ。
高校の進路担当の先生とお話しすると、生徒たちの就職はとにかく厳しい、とくに女の子はどうにもならない。彼女たちが第一に希望する職種である販売関係への就業がほとんどムリだとおっしゃる。大学生も4人に1人は就業できずにフリーターになっていくという。
景気が良いときには見えてこないが、こうした状況になると見えてくるモノがある。
ひとと違う何かを持つこと。それも、喰っていくのに結びつく何かを。まずは生きていく術を身につけないとどうにもならない。年末派遣村で「行政が何もしてくれない」と、我が身の問題を当たり前のように他者に押しつける“哀しいヒト”にならないように。何よりも“飯を喰っていく種”を身につけよう。
そんなことを子供たちに知って欲しいとつよく思う。