私立中学受験をするかどうか
まず、私立中学受験の現状です。はっきりいって10年前から比べるとどの中学も入りやすくなっています。これは「わたしの肌感覚」です。毎年、5人前後の生徒の私立中学受験をみてきていますが、このぐらいのチカラならこの中学はちょっと厳しいかな、といった生徒が合格していく例がここ数年の間続いている、ということです。
本屋さんに並んでいる受験情報誌や、ネット上の様々な受験情報では必ずしもそうなっていません。これには理由があるのですが、そのことは時間がないので今回は書きません。私立中学受験は「やさしくなっている」ので、皆さんが思っている以上に「どこの中学も入りやすくなっている」現状がある、ということです。とくに中堅校では、すべてを投げ打ってでも、といった受験スタイルをとらなくても合格できる学校は増えています。
つぎに、高校受験との違いです。高校受験では「学校成績」が関わってきます。とくに私立高校は「中学校の学校成績だけ(英、数。国の3科or+理、社の5科)」で合否が決まります。当日の試験はないのと一緒です。また、公立高校についても、なにがしかの割合で学校成績がかかわってきます。しかも、こちらは、技能科も含めた9科です。もっというと、いまの学校成績は絶対評価で、定期試験の結果がそのまま評定に結びつくわけでもありません。数字だけではない「不確定な要素」が多い、ということです。
要は、不確定な要素が多い中でも、学校の成績を技能科も含めてきっちりととれる生徒は公立中学進学でも良いのかな、ということです。そうでないのなら、私立中学受験もひとつの選択肢かと思います。
さらに、15歳の子どもは反抗期とも重なります。12歳の段階では、まだまだ親と一緒に受験する、といった時期です。これも中学受験をするかどうかの判断基準のひとつでしょう。親がどれだけ受験に関われるか、または、関わりたいか、ということです。小6の男の子など、最後は「お母さんのために頑張る」というのが実際のところです。
最後に。私立中学受験の問題も様変わりしています。さすがに、小学校の学習で受験するのは不可能ですが、以前のような中学受験用の問題が少なくなっているのも事実です。どちらかというと、思考力や診断力など、考えるチカラを試す問題が多いです。理科や社会などでも、知識を問うのではなく、どうして、なぜ、といった問いかけが多くなっています。こうした出題に対応する学習をすることは、子どもにとってはとてもおっきな成長の手助けになることも忘れてはいけないでしょう。
確かに、公立高校が学校改革もあって、大学への進学実績を伸ばしています。旧学区の2番手校までならば、GMARCHには合格できる生徒が増えているのも事実です。そこまでの公立高校に進学できるのならば公立中学への進学でも良いでしょう。その判断はなかなか難しいですが、親としての「肌感覚」に頼るしかない部分でもあります。
私立中学の各校はつねに切磋琢磨していて、それぞれに「きらりと光る何か」を持とうと頑張っています。受験生側が「選べる」ことがおっきな利点でもあるでしょう。