英語との距離のとり方

2020(平成32)年度から全面実施される小学校の次期学習指導要領では、英語が教科化され、プログラミング学習も必修化されます。とくに英語については、週に2時間の授業が組まれ、成績もつけられることになっています。

塾業界ではさっそく「小学校の英語が教科化されるます。それに備えて早くから塾で英語を学びましょう」といった宣伝をはじめています。教科化=評価、ということで、成績に敏感な保護者に訴えようという戦略です。

先日の組合の研修会に、ある小学校の現役の先生が参加されていました。せっかくの機会なので、小学校の現場での英語の教科化への準備などについてうかがいました。やはり、教科化=評価、ということから、評価しやすい指導法に流れていく可能性がある、という話しでした。そうなると、またまた塾の出番になってしまいます。

うーん、そういうことではないのだがなぁ、と、塾経営者のわたしでさえいやになってしまう昨今の塾業界の「さもしさ」です。

保護者の方もくれぐれも踊らされないようにして下さい。英語教育がこのあとどうなっていくのかは、もうしばらく様子を見ないとわかりません。そもそも、英語が使えるようになる、という目標を持てば、小学校での英語は利用できるところは利用する、といった態度でよいと思うのです。なにも学校の成績のために英語を学ぶわけではないのですから。

他の教科についても同じことです。学校の成績、評価というのは、子どもの日常の学習活動に対してなされるものです。もちろん、しっかりと学習成果を修め、良い成績をとることは目標となります。

しかし、過度に成績のための「なにか」をすることには一定の距離を持つべきではないでしょうか。いつもわたしが言っている「定期試験の過去問を集めて学習する」などという手段は、結果が出るのがわかっていても採り入れるべきではないでしょう。

英語との距離感の持ち方。これはこれからの子育ての中で、親がもっておかねばならない「柱」なのかもしれません。そこがはっきりしていないと、いろんな情報に振り回されてしまいます。うちの子は「ドメスティック」に生きさせる、と決めて英語をオミットするのもひとつの識見かとも思います。

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