大学入学共通テスト プレテストについて その2
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まず、記述があらたに導入されているので、従来のセンター試験と出題のしかたは大きく変わっています。50字以内、25字以内、80時以上120字以内の記述です。
それ以上にびっくりなのが、出題された問題文の大きな様変わりぶりです。キーワードは「複数の題材の組み合わせ」です。
問1は「部活動の規約」について。問2は「路地をテーマにした文章と表や写真を組み合わせたもの」。問3は小説文「幸福な王子」をもとにしてつくられた作品。問4は「源氏物語」の同一場面を取り扱った、藤原定家が整えた文、源光行・親行が整えた文と関連する注釈書。問5は漢文の出題ですが、その内容をふまえた日本人が書いた漢詩とそれについて生徒が調べたこと。
どれもこれも「ひとすじなわではいかない」出題となっています。
確かに、小学生の国語の教科書は、こうした複数の題材の組み合わせが多くなっています。しかし、実際の小学校の授業では、そうした教材はあまりあつかわれず、今まで通りに「物語文」や「説明的文章」を読解していく授業が中心になっているのが現状です。ましてや、中学や高校の授業では、今回の「大学入試共通テスト」に出題されたような「複数の題材を組み合わせた」ものの読解を扱う国語の授業はほとんどおこなわれていません。
そもそも「国語」という教科はとてもあいまいな教科です。日本語の授業でもなく、文学作品鑑賞の授業でもなく・・・ そんな中、今回の「大学入試共通テスト」が打ち出しているのは、社会に出て役に立つ読解力、表現力と思考力、といったベクトルです。より実践的で役に立つ「言語活動のチカラ」を試そう、という流れです。これは、今までの学校での国語の授業が向いている方向とはまったく違います。
大学入試の部分を変えることで、日本の教育のベクトルを変えよう、という文科省の考えがくっきり鮮明に見えた出題かと思います。まぁ、このあと、学校と先生という「抵抗勢力」が、この流れを押し戻す動きがあるのでしょうから、ここまで「とんがった出題」が2021年にあるのかはわかりませんが、大きく舵が切られようとしていることは間違いないようです。