英単語を「覚えられない」のではなく、「覚えたか確認していない」

「英単語がなかなか覚えられません」
そう話す生徒に、どんな暗記の仕方をしているのか聞いてみます。
「日本語の部分を隠して、どんどん覚えています」
では、覚えたかどうかは、どうやって確認しているの?
そう尋ねると、
「……」
となることが少なくありません。
多くの場合、暗記ができないのではありません。
暗記をしているつもりで、実際には英単語と日本語訳を何度も眺めているだけなのです。
暗記は、インプットとアウトプットがセットになって、初めて「暗記」になります。
英単語であれば、まずは次のように進めます。
英単語を声に出して読みながら、日本語訳を確認する
↓
日本語訳を隠し、英単語を見て意味を答える
↓
答えを確認し、間違えた単語に印をつける
↓
印をつけた単語だけを、もう一度覚え直す
↓
順番を変えて、再び意味を答える
↓
日本語を見て、英単語を声に出す
↓
つづりまで覚える必要がある場合は、最後に書いて確認する
ここまでやって、ようやく一回の暗記です。
大切なのは、答えを見る前に、いったん自分の頭の中から答えを取り出すことです。
英単語と日本語訳を何度も見ていると、
「見たことがある」
「なんとなくわかる」
という感覚になります。
しかし、それは「覚えた」ということではありません。
本当に覚えたかどうかは、何も見ずに答えられるかどうかで決まります。
たとえば、10個の英単語を覚えるのであれば、最初からすべてを何度も書く必要はありません。
まず10個を声に出して確認する。
次に、日本語訳を隠してテストする。
間違えた3個だけを覚え直す。
そのあと、もう一度10個すべてをテストする。
このように、覚えることに時間をかけるより、思い出そうとする回数を増やすことが大切です。
ただし、その場で一度答えられただけでは、まだ十分ではありません。
10分後にもう一度。
授業の終わりにもう一度。
翌日にもう一度。
少し時間を空けて確認することで、記憶は少しずつ定着していきます。
「もっと何回も書きなさい」
「もっと長い時間やりなさい」
と伝えるだけでは、なかなか覚えられるようになりません。
必要なのは、努力の量を増やすことではなく、暗記の手順を変えることです。
覚えたかどうかの目安は、次のように決めておくとよいでしょう。
- 英単語を見て、すぐに日本語の意味が言える
- 順番を変えても答えられる
- 日本語を見て、英単語が言える
- 翌日にも答えられる
暗記とは、何度も見ることではありません。
思い出そうとして、答えを出し、間違いを直し、時間を空けてもう一度確かめること。
英単語が覚えられないのではありません。
まだ、「覚えたかどうかを確かめる練習」をしていないだけなのです。