10月に本を出版します。『声かけ1回、みまもり10回』

10月に、本を出版することになりました。
タイトルは、
『声かけ1回、みまもり10回
――子どもが自分で学び始める「見立て・伴走・手放し」』
https://wawonbooks.com/books/miyajuku-01
です。
20代のはじめに子どもたちの学びに関わるようになってから、気がつけば45年ほどが経ちました。今も学習塾の教室に立ち、中学生、高校生たちと向き合っています。
長いあいだ子どもたちを教えてきましたが、教育について「これが正解だ」と言い切れることは、むしろ年々少なくなっているように思います。
同じ「勉強しない」という姿に見えても、その理由は子どもによって違います。
やる気の問題なのか。
わからないのか。
やり方を知らないのか。
始めるきっかけがつかめないのか。
あるいは、疲れているのか。
ところが大人は、子どもが動かないと、つい言葉を増やします。
「宿題は?」
「勉強しなさい」
「いつまでスマホを見ているの」
「早くやりなさい」
もちろん、子どもを困らせたいから言っているわけではありません。
困ってほしくない。
授業についていけなくなってほしくない。
将来、選びたい道を選べなくなってほしくない。
心配しているからこそ、言葉が出ます。
けれど、言えば言うほど子どもの顔が曇り、大人の側にも後味の悪さが残る。
そんなことは、家庭でも教室でも何度も起きます。
この本では、そこで少し問いを変えてみようと書きました。
「どう言えば、この子を動かせるだろう」
ではなく、
「この子は、いまどこで止まっているのだろう」
と考えてみる。
それだけで、大人の見え方が変わることがあります。
この本のタイトルにした「声かけ1回、みまもり10回」は、もちろん「1回しか声をかけてはいけない」「10回見るまで黙っていなさい」という意味ではありません。
一つ伝えたら、すぐに次の言葉を重ねない。
少し待つ。
子どもの反応を見る。
どこまでできているかを見る。
どこで止まっているかを見る。
そして、必要なら小さく教える。
できるところまできたら、また本人に返す。
本の中では、その流れを、
見る
見立てる
小さく教える
任せる
次へつなげる
という五つの動作で整理しました。
教えるか、放っておくか。
教育は、その二択ではないと思っています。
支えるところは支える。
任せられるところは任せる。
その境目を見つけていくことが、子どもの自立につながっていくのではないでしょうか。
この本には、こうした考え方だけでなく、家庭で起こりやすい場面についての72問のQ&Aも入れました。
「宿題をやらない」
「スマホばかり見ている」
「何度言っても準備しない」
「テスト前なのに勉強しない」
教育論だけを読んでも、実際の家庭では困ります。
ですから、
「では、こんなときはどう考えればいいのか」
というところまで、できるだけ具体的に書きました。
さらに巻末には、**「みまもりを増やす14日間 実践ノート」**も収録する予定です。
本を読んだ翌日から、家庭のルールも、声かけも、全部変える必要はありません。
まず一つだけ。
目の前の子どもを、少し丁寧に見てみる。
そこから始めればいいと思っています。
そして、この本を書いたもう一つの理由があります。
今の私は、三人の孫を持つ「じぃじ」でもあります。
先生として子どもたちを見てきた時間と、じぃじとして孫たちを見ている時間。
その二つが重なって、以前より少し遠くから子どもの成長を見るようになりました。
今日の点数。
今日の宿題。
今日の失敗。
もちろん大切です。
でも、その向こうには、その子の長い人生があります。
子育てに迷ったとき、少しだけ遠くを見る。
そうすると、目の前の一言を選び直せることがあります。
この本は、子どもを変えるための本ではありません。
大人が子どもの見方を少し変えることで、親子がもう一度歩きやすくなる。
そんな本になればと思っています。
現在、初版の先行予約を受け付けています。
刊行は2026年10月上旬の予定です。
興味を持っていただけたら、ぜひこちらをご覧ください。
『声かけ1回、みまもり10回』
――子どもが自分で学び始める「見立て・伴走・手放し」