あり得ないことが起こった
その彼女が夏休み前に東洋英和の人間科学部に新しく作られる学科を志望したい、学校に指定校推薦が来ているのでまずはそれに応募して、だめなら受験するから勉強を見て欲しいと言ってきた。取りあえず模試だけは受けさせた。それと、指定校がダメな場合を想定してこれこれの学習だけはしておくようにと指示しておいた。
9月になり、指定校の推薦が決まったとうれしそうに連絡してきた。お祝いの昼食会もやってあげた。
それがだ、先週の金曜日にお母さんと二人で塾にやってこられて
「指定校の推薦がなくなりました。」
「どういうことですか?」
「学校のミスでもともとその指定校推薦枠そのものがなかったそうです。」
あり得ないミスでしょ。彼女が志望していたのは新設の学科。学校側は従来の指定校枠の学科をその新設の学科と取り違えていたようなのだ。彼女には何の落ち度もない。いろんな意味で不審に思った彼女が何度も問い合わせているうちにわかったという。
二人は真っ白になっている様子。私も授業中でもあったのでとりあえずお引き取り願った。
もうすぐ12月。ここから勉強を始めて間に合うわけもない。彼女の今の実力で一般試験は無理だ。こう考えをまとめ、授業後にFさん宅に電話をし、私が○○高の校長先生とやりとりをする承諾を得る。
つい先ほど、○○高校に電話をして校長先生とお話しをした。事情は理解されているようだった。もう一度、教頭や進路指導主任を相手の大学にやって事情を説明して推薦をいただけるよう努力してみる、と約束してもらった。また、東洋英和大がダメな場合、今からの受験は無理なので「保育士と幼稚園教諭の免許が取得できる4年生の大学」を探して推薦してもらえるよう取りはからって欲しい、ともお願いしておいた。
でも、絶対にあってはいけないミスですよ。私も教師をやっているときに何度かこれに近い失敗はしています。でも、それは進路会議や学年会議等のチェックで事前に判明し、事なきを得ていました。1人の担任にかかる負担はこの時期相当なものであることはわかります。でもそれをカバーする二重、三重のチェック体制が必要なのではないでしょうか。猛省を求めます。
と同時に、事態の推移を見守ります。Fさんのこと「愛」をもって対処してください。